米ロサンゼルスで11月17日(現地時間)に米Microsoftの開発者会議「Professional Developers Conference(PDC) 2009」が開幕。オープニング基調講演で同社チーフソフトウエアアーキテクトのRay Ozzie氏が、クラウドOS「Windows Azure」を2010年1月1日から提供開始することを発表した。
前回(2008年10月)のPDCの主役はWindows 7だった。基調講演でデモを初公開し、開発者にプレベータ版を配布した。それから1年の間にMicrosoftはWindows 7を完成させ、さらにWindows Mobile 6.5をリリースした。この年末商戦に向けて、数多くのWindows 7搭載モバイルPCやWindows Phoneが登場している。こうした新しい世代のWindowsベースの製品は、近年同社がアピールしている"ソフトウェア+サービス"の土台を築くものである。Windows 7リリースという大きな目標の達成を経て、今回のPDCで同社は次のステップへと踏み出した。「3つのスクリーンとクラウド(Three Screens and a Cloud)」の実現である。
Webをハブに、われわれが日常的に接する「PC」「携帯電話」「テレビ」の3つスクリーンを通じて、いつでもどこからでもクラウド上のデータやサービスを利用できるようにする。「3つのスクリーンとクラウド」は、クラウド型のビジョンであり、Windowsユーザーを中心に据えながらも、Windows PCやWindows Phoneに利用を制限するものではない。Windowsで囲い込む同社の従来の戦略とは異なる。それではWindowsが先細りするように思えるが、コンピューティングは確実にクラウドの採用に向かっている。Windowsをコアにクラウド環境(= Windows Azure)を構築することで、そうした時流に逆らわずに、むしろけん引しようとしている。初日の基調講演は、Azureを中心にクラウド型のバックエンドについて。「3つのスクリーンとクラウド」を実現する要素としては、AzureのほかにもSilverlightが大きな役割を担う。Windows/ Internet Explorer/ Silverlightについては2日目の基調講演で取り上げられる予定だ。