--社長になって何か変わったことがありますか。
迫間幸介氏(以下、迫間:敬称略):まだASIC営業/技術部 部長も兼任してまして、全体も見なくてはいけなくなったので、やはり、忙しくなりました。
--それは仕事量が相当増えてますね。
迫間:将来的には変わってくるんでしょうけど、現状は、ASICは私が兼務という形で見てます。ただ、我々のSoCの部隊がASSPも作っているので、そういった面ではざっくりとは理解していただけですので、細かい内容は今、各営業と確認して、2010年の事業プランとして策定を進めています。また、カントリーマネージャーとしては人的マネジメントを行うわけですが、そこも含めて楽しんでやりたいとは思ってます。
--今回の就任で、これまでのストレージ分野に加えて新たにネットワーク側も見ないといけないことになったわけですが、その点はいかがでしょう。
迫間:ネットワークというのは面白いもので、ASICと一緒に売ることができるんです。そういった意味では詳しい人材が多くいるので、どういったソリューションとして提供していこうかと考えています。特にASICやASSPといった単体ではなく、グループごとの垣根を越えて、カスタマに対しソリューションとして売りにいこうと思っています。例えば、「このシステムにはLSIロジックのASICとASSPをこう置けば、こういったメリットが生み出されますよ」、といった形のビジネスを今まで以上に推し進めようと、各営業と話をしており、ASICとASSPという2つの会社ではなく、1つの会社して社内も社外も見せられるようにしたいなと思ってます。
--極端な話、カスタマ側としてもアプリケーションにマッチして、コストが抑えられればASICでもASSPでも良いわけですよね。
迫間:そうですね。国内でも国外でもASSPだけで作ってしまっては差別化ができませんから、セキュリティ分野などで何かしらの差別化の意味を持たせるためにASICを使いたいとは思っています。逆にインタフェース部分は規格で統一されてますから、そこはASSPになるわけですが、そういった高速インタフェースとの兼ね合いを考えると、同じデバイスメーカーのASICを組み合わせたほうが良いんじゃないか、といったようなボード上での切り分けをしないで済むという利点を含めて、ソリューションとして提供していければと思っています。そうすることで、もし問題が発生した際でも、再現性を出しやすくなるわけで、迅速な対応ができることにつながりますので、カスタマとしても利点につながると思っています。
--そういった意味では営業も技術もやってこられたわけで、両方のことを知っている立場として、これからのLSIロジックをどういった方向に導こうと考えているのでしょうか。
迫間:各ビジネスユニットごとに作るデバイスというものがありますが、そこに日本からのインプットとして、日本としてはこういったものが必要だ、という"声"を届けていかなければいけない。もう1つ、日本のカスタマとのリレーションシップをなるべく長期で作ることで信頼感というものが向上していくと思うんですね。今まではどうかというと、毎年のように社長が交代したりしてますので、そういった意味では短期のリレーションしかなくて、あの会社はどうなっている、と思われる部分もあったと思われますが、その辺は直接今までお付き合いがあった面もありますので、そこからリレーションシップを太く強く築いていければと思っています。