2010年の早い時期に次世代vProを投入
Intelはさらに、2010年に次世代となる第4世代のvPro技術を投入する。ベースとなるのは32nmプロセスで製造される"Westmere"(開発コードネーム)アーキテクチャのプロセッサ。同社のTick-Tockモデルで現行のNehalemの次に控えるプロセッサ・アーキテクチャだ。コンシューマ・デスクトップ向けなどでいくつかの情報が公開されているが、グラフィックス機能がCPUパッケージに統合されたClarkdale/Arrandale(ともに開発コードネーム)などの製品が投入される。
Westmereベースの第4世代vProの特徴は「優れた電力効率性能」「拡張された運用管理性」「セキュリティ向上」の3点。優れた電力効率性能では、プロセス微細化やアーキテクチャの改良に加え、先にも述べたグラフィックスの統合といった、チップの構成を小規模化できるマルチチップパッケージ化も大きく寄与する。
拡張された運用管理性については、新たな機能の追加も行なわれ、一例として、KVM(Keyboard-Video-Mouse)リモート管理機能が追加される。これは、vPro当初から顧客の要望があった機能だそうだ。外付けのKVMスイッチを用意する必要なく、ハードウェアベースで実装されるため、PC間でセキュアに相互アクセスができ、仮に管理対象クライアントのOSがブルースクリーン状態であったとしても、ITヘルプデスクは管理コンソール側からこれを管理することが可能となる。
セキュリティの向上についても、新たなインストラクションセット「AES-NI」(AES New Instrunction)が追加される。エチャベリア氏は「暗号化の重要度は非常に高い」と述べていたが、これはAES暗号の処理を高速化する命令セットで、対応アプリケーションと非対応のものとを比較した場合、パフォーマンスが25%改善するという。さらに、「リモート・エンクリプション管理」機能により、vProクライアントの暗号化されたドライブを、ユーザーがその場に居なくても、運用管理者などが直接管理することができる。また、次世代の「インテル アンチセフト・テクノロジー」で、盗難防止の保護機能も強化される。これらにより、第4世代vProでは「フルに管理可能なハードウェアベースのデータ・セキュリティ」を提供すると紹介されている。