医療・介護用ベッドの分野における国内トップメーカーであるパラマウントベッドが、本格的にコンシューマ市場に参入する。5人に1人が不眠と言われる「睡眠難」の現代に向け、これを解消すべく、これまでの知見と技術の蓄積を応用した一般向け新ブランド「スマートスリープ」を発表。同時に毎日の睡眠を管理し、快眠をサポートするiPhoneアプリケーション「smart sleep(スマートスリープ)」を開発した。11月10日、同社では東京・京橋にオープンした「smart sleep store」においてブランド発表会を開催した。
はじめに同社執行役員コンシューマ事業部長の大石研治氏が新ブランド「スマートスリープ」を紹介した。大石氏は「寝心地は睡眠の一要素で、寝具だけでできることは限られる。スマートスリープは寝具・睡眠改善により"日中のクオリティとパフォーマンスの向上"を目的に開発した」と話した。スマートスリープにはインピーダンスマッチングによる抵抗の少ない寝返りを実現するマットレス「スタイルポート」(オーダー)、「データム・ゼロ」を用意。自分好みの寝心地を選べる進化したベッドパッド「コンフォートトップ」、自然な「寝返りのしやすさ」に配慮した「スマート・フィット・ピロー」を含めトータルフィッティングを実現している。さらに大石氏は開発中のベッドメーカーとしての技術を結集した最先端のふとん「スマートスリープ 敷布団(プロトタイプ)」を紹介した。
続いて、ジャーナリストで慶応義塾大学SFC研究員の松村太郎氏が登壇し、iPhoneアプリケーション「smart sleep for iPhone」を紹介した。松村氏は目覚ましに携帯電話を使う人が増えている事に言及し、その中で普及が目覚ましいiPhoneとスマートスリープの融合を考えたのがsmart sleepだと紹介した。
smart sleepの機能としては、iPodの好きな曲をアラームサウンドに設定でき、好きな音楽で起きる事ができる。食事時間や任意設定した就寝時間を知らせる睡眠習慣を改善するアラート機能、アプリが消えてもアラートが知らせるプッシュ通知対応、毎日の睡眠 / 起床データや睡眠時間など睡眠履歴を評価を記録する機能などがある。松村氏は「smart sleepはTwitterと連携しており、ハッシュタグ#smartsleepにより世界中の人々と睡眠が共有できる。スリープテイメントと言えるのではないか」と語った。
最後に快眠セラピストの三橋美穂さんが登壇。三橋さんは快適な睡眠をとるコツについて語った。三橋さんは「睡眠は集中力、記憶力、創造力をもたらす」と語り、眠っている間にひらめきを生むとして、ミシンの針の発明や、ビートルズの「Yesterday」はポール・マッカートニーが眠っている間に浮かんだメロディだと紹介した。また、睡眠不足による弊害として、食欲増進ホルモン「グレリン」が増え、満腹感を伝える「レプチン」が減少する事で太りやすくなると指摘した。最後にカンタン快眠法として、目と腰に当てる蒸しタオルや深呼吸などを伝授してくれた。