内閣府は11日、機械受注統計(季節調整値)の9月実績を公表した。民間設備投資の先行指標である「船舶・電力を除く民需」は7,380億円で、前月比10.5%の大きな伸びとなった。2カ月連続の増加。内閣府は機械受注の基調判断を「下げ止まりに向けた動きが見られる」とし、先月まで6カ月続いた「減少のテンポが緩やかになってきている」から上方修正した。

製造業は前月比0.1%減の2,343億円で2カ月ぶりの減少。前年比では44.2%減と依然として低い水準にとどまっている。一方、非製造業(船舶・電力を除く)は7、8月と減少が続いたが、9月は3カ月ぶりの増加。前月比18.0%増と大きく伸びた。前年比での減少額も8月の13.9%減から9月は3%減にまで縮小しており、改善の傾向がみられる。

製造業を15の業種別にみると、「窯業・土石」が前月比53.6%増と8月の28.6%減から大きく回復したほか、「一般機械」(32.5%増)、「造船業」(31.0%増)などが好調だった。一方減少が目立ったのは「石油・石炭製品工業」の54.1%減や「その他輸送機械工業」の35.8%減など。15業種中増加は10業種、減少が5業種だった。

非製造業の8業種では、「鉱業」が前月比361.9%と非常に大きな伸びを示したほか、「通信業」(45.2%増)、「農林漁業」(35.6%増)など6業種がプラスに。マイナスとなったのは「電力業」(50.4%減)、「金融・保険業」(5.6%減)の2業種のみとなった。

官公需、外需などを含めた受注総額は前月比6.0%増の1兆7,232億円(前年比は26.6%減)だった。内訳をみると、民需は前月比1.4%減の8,513億円、官公需は同17.0%減の2,405億円、外需は同25.9%増の5,839億円、代理店は同4.4%増の704億円だった。

9月の販売額は1兆8,650億円で前月比18.6%の増加。前3か月平均販売額は1兆7,377億円(同0.9%減)となり、受注残高は24兆5,548億円(同0.7%減)となった。この結果、手持ち月数は14.1カ月となり、前月差で0.02カ月増加した。

同時に発表された7~9月期の「船舶電力を除く民需」の実績は前期(4~6月期)比で0.9%減となり、4~6月の前期比4.9%減から改善。10~12月期の見通しは1.0%増としており、2008年1~3月期以来7四半期ぶりの増加を見込んでいる。