財務省は10日、9月の国際収支状況(速報)を発表した。貿易収支/サービス収支/所得収支/経常移転収支の4項目から構成される「経常収支」は1兆5,679億円の黒字だった。黒字は8カ月連続。前年同月比では33億円(0.2%)の増加となる。
所得収支の黒字幅は縮小したものの、貿易収支の黒字幅が拡大したことなどから経常収支の黒字幅が拡大した。
貿易収支は5,992億円の黒字。輸入の減少幅が輸出の減少幅を上回ったことから、黒字幅は、対前年同月比で2,790億円拡大した。輸出は4兆7,755億円で、対前年同月比2兆2,528億円(32.1%)の減少。輸入は4兆1,764億円で、対前年同月比で2兆5,318億円(37.7%)の減少。輸出の前年同月比での縮小は12カ月連続、輸入は11カ月連続。
また、サービス収支は389億円の赤字。「輸送収支」や「旅行収支」の赤字幅が拡大したものの、金融、特許等使用料などが含まれる「その他サービス」の黒字幅が拡大したことから、対前年同月比では1,136億円のプラスとなり赤字幅が縮小した。所得収支は前年同月比で4,037億円(27.2%)減の1兆823億円の黒字だった。「証券投資収益」で、受取の減少幅が支払いの減少幅を上回ったことなどが響いた。季節調整済みの経常収支は前月比で8.5%増、貿易収支は同21.9%減だった。
財務省国際局の担当者は「輸出、輸入額ともに前年比では減少しているが、特に輸入額に関しては、原油価格が昨年から大きく下落しており、その影響が大きくでている。その結果輸入の減少幅が輸出の編小幅を上回っている形」と話している。