2009年4月より放送され、現在DVDシリーズがリリースされているTVアニメ『戦国BASARA』。2010年1月6日発売予定の最終巻、『戦国BASARA』其の七にはテレビ未放送の第13話が、OVAとして収録される。

アニメ本編ではほとんど描かれなかった人気キャラクターの毛利元就と長曾我部元親がついに主役となる注目の第13話。前田慶次とともに、前田利家とまつが登場するなど、まさにBASARAファン待望の作品となる。

■第十三話のストーリー概要
長篠・設楽原の戦いのあと、西へ向かった前田慶次。その目的は、四国を統べた長曾我部元親と、中国を治める立場となった毛利元就の説得であった。長らく均衡を保ってきた両者であったが、長曾我部軍が完成させようとしている海の移動要塞・富嶽を奪うため、毛利は密かなる軍略を発動させていた。さらに、緊張高まる瀬戸内へ、前田利家・まつ夫婦が織田の理不尽な要求を携えやってくる。折しも東方では、伊達政宗と真田幸村率いる軍勢が安土城めざして進撃を開始しようとしていた。果たして慶次は、瀬戸内の両雄を共闘させることができるのか――!?

キャスト陣が語るTVアニメ『戦国BASARA』第13話

そこで今回は、第13話に登場するキャスト陣より、長曾我部元親役の石野竜三、毛利元就役の中原茂、前田利家役の坪井智浩、まつ役の甲斐田裕子、そしてかすが役の桑谷夏子の5名が、第13話のアフレコ終了後に語ってくれた本作の魅力などを紹介しよう。


――皆さんが演じるキャラクターについてあらためて紹介してください

石野竜三「長曾我部元親役の石野竜三です。アニメ本編ではあまり出番がなく、やっと13話で出番がやって参りまして、今から始まるんじゃないかみたいな心持ちがしています。最後になって、やっとこちらに世間様の目が向いてくれたかと、非常にうれしく思っています」

中原茂「毛利元就役の中原茂です。毛利は相変わらず、冷たく、すべてを捨て駒だと思っています。そんな毛利っぷりが大爆発している13話なので、楽しんで観ていただけるとうれしいです」

坪井智浩「前田利家役の坪井智浩です。原作のゲームにおいて、あまり難しいことを言ったり、人を説得したりするような役ではなかったのですが、今回は説得する役目ということで……、失敗しました(笑)。やはり、もともとそういったキャラではないので、演じるのもちょっと難しかったですね」

甲斐田裕子「まつ役の甲斐田裕子です。ゲーム本編やアニメではお笑い担当で、利家とラブラブしたりしてきましたが、今回はちょっと真面目に働いてみようかな、といった感じでした」

桑谷夏子「第13話では、かすがと夢吉をやらせていただいています」

――第13話のアフレコを終えての感想や現場の雰囲気などを教えてください

石野「13話の前半では、長曾我部と毛利は、それぞれの立場でお互いににらみ合っているのですが、そこから動き出すきっかけとなるのが前田家の夫婦で、それを受けるという芝居が多かったですね。なので、どちらかというと自分から突っ込んでいく形が多かった今までと比べると、観ていただく方にとっても新鮮なのではないかと思います。ちょっと落ち着いた感じの長曾我部を楽しんでいただけたらいいなと思います」

中原「後半で毛利と長曾我部の二人がやりあうシーンは、かなりすごいことになっている気がします。お互いにいろいろな技を出し合っているのですが、それがどんな映像になっているのか? そのあたりが見どころだと思います。13話でも、毛利はやっぱり毛利なんですよ。見事に全部が捨て駒だと思っている。それに対して、長曾我部と(前田)慶次はとてもいい人なので、そのあたりの対比も面白いと思います」

坪井「前田家の2人は、前半で説得に失敗して以降は、ほとんど出番がなく、あとは瀬戸内の海の戦いを見守っていただけですね(笑)。前半では、一所懸命に説得しようと利家は頑張ったのですが、どうしても必ず前にまつが出てくるんですよ。まつの血の気の多さで説得が上手くいかなかったかもしれないかなって……」
甲斐田「血の気が多いのではなくて、ちゃんと計算しているんです」
坪井「まつの計算で、操られているだけなんですよ、利家は(笑)。そんな感じで楽しく演じさせていただきました」

甲斐田「今回は真面目担当だったのですが、とにかくセリフの量が多かったです。口が回らなくて、いろいろと大変な話数でした(笑)」

桑谷「本編を観ていただいている方ならわかると思うのですが、夢吉は動き回っていて、絵にも力が入っていたりするんですよ(笑)。13話では、瀬戸内の二人とともに慶次がメインになるということで、慶次と一緒にいる夢吉にもけっこうで出番があって、アドリブを入れる量もかなり多かったですね。実際に観ていただけるとわかるのですが、かすがはお笑い担当になっていて、もう登場の仕方から本当に笑えるので、皆さん、そこは存分に笑ってあげてください」

――『戦国BASARA』はすでに第二期シリーズの制作も決まっていますが、第二期でどんな活躍をしてみたいと思っていますか?

石野「僕の周りは野郎どもばかりじゃないですか。別に野郎どもが嫌なわけではないですが、そんな野郎どもの後ろには、家族や親兄弟、恋人なんかがいたりするわけですよ。そんなバックグラウンドの人たちとの触れ合いを演じてみたいなって思っています。いつも海の上にばかりいるわけではなく、四国に帰れば、野郎どもの家族が絶対にいるわけですよ。その家族との触れ合いのようなシーンを、ずっとやってみたいなって思っています」

中原「いつもの毛利もいいのですが、やはりここはひとつ"サンデー毛利"になって、布教活動に勤しんでもらいたいなと思います(笑)。毛利は布教活動をどんな風にするんだろうね。普通にビラを配っているのか、それとも力づくで入れようとするのか? そういった姿も見てみたいですね」

坪井「ゲームの中にもあったのですが、鍋を作る材料を求めてまつと旅をするストーリーをやりたいですね。『戦国BASARA』というとすごくカッコいいシーンが多いのですが、我々は基本的にコメディ担当なので、最後の1分コーナーでもいいので、コメディの部分を作っていただきたいですね。」

甲斐田「私は夫の意見に賛成でございます」
坪井「この二人はセットですからね」

桑谷「一期のときのかすがは、忍としてはまだまだ活躍不足だったので。ちゃんと忍っぽいシーンが観られたらいいなと思っています」

――それでは第二期ではこんなバトルを期待したいといったものはありますか?

石野「長曾我部は、戦いでもスポーツを楽しむような感覚があるんですよ。心底こいつだけは潰しておかないと気が済まないと思うのは毛利だけで、あとは刃を交えても、自分と似た部分や匂いを感じるとすぐに共闘してしまうようなところがあるので、"元親杯"でも作って、全国大会をやるみたいな、そんなノリになりそうな気がしますね」
中原「一番勝った武将はどうなるの?」
石野「勝った武将には、"元親杯"が授与される」
坪井「"富嶽"をくれるというのならみんな参加しますよ」
石野「滅騎か木騎ぐらいだったらね(笑)」

※「富嶽」「滅騎」「木騎」…… 長曾我部が所有する兵器

中原「毛利はみんなと違って、統一したいとか、国が欲しいといった欲望がなく、自分の国さえ安泰であればそれでいいという、戦国武将としては変わった思考の持ち主なんです。やはり攻められたら戦うけど、自分から攻めるのは長曾我部ぐらいですね。ただ、サンデー毛利になったらわかりませんけどね。布教活動という目的ができるので(笑)。あ、サンデー毛利になったら大本のザビー様と戦ってもらいたいですね」
石野「どちらが教祖になるかで?」
中原「そうそう。ザビー様とはなかなかシュールな戦いになりそうです(笑)」

坪井「前田家は戦いがあまり好きではないので、戦いに行くというイメージがないんですよ。攻められたら守るために戦うとは思うのですが、あえて自分から戦うとすると……、やるならたぶん、まつとの盛大な夫婦喧嘩ですね。たぶん、周りも巻き込んでやばいことになると思います。太郎丸、次郎丸、五郎丸も巻き込んで(笑)」
甲斐田「私が勝つよ」
坪井「絶対に利家が負けるとは思うんですけど、いろいろと猪口才な手段を使って、勝ちに行くというようなシーンがあればいいなって思います。慶次とは戦わないと思うんですよね。慶次には一方的にいたずらをされているばかりなので(笑)。やはり戦うとすれば、まつぐらいで、あとはもう平和な感じですね。どこかの国の人が加賀を攻めてくれれば戦うと思いますので、どなたかに攻めていただければ(笑)」

甲斐田「女同士の戦いが観てみたいですね。かすがや濃姫、お市、いつきちゃんあたりと……」
中原「お市は怖いね」
甲斐田「怖いですね(笑)」

桑谷「私もやはり女性だけの戦いですね。濃姫、お市、まつ、春日、いつきちゃん……。全員が集まってバトルを観てみたいです。現実的なところでは、(風魔)小太郎、(猿飛)佐助、かすがの三人の戦いですね。実際、『英雄外伝』というゲームでは、小太郎と戦って、佐助とかすがは負けてしまうのですが、忍同士の戦いがあればいいですね。忍法を使うので、すごいトリッキーな映像になると思います」
石野「夢吉は戦わないの?」
中原「夢吉とオウム?」
桑谷「オウムと、五郎丸、太郎丸……。そうですね、動物デスマッチもぜひ観てみたいです(笑)」

――それでは最後に、作品の見どころを含めて、作品を楽しみにしているファンの方へのメッセージをお願いします

石野「今回は、長曾我部も毛利も、前田家も、そして慶次も、みんながそれぞれの立場で、一所懸命な思いを形にしようと思って動いているのですが、それがなかなか思うようにならない。そういった切なさや、それをどうやって打開していくのかっていうところを観ていただきたいですね。策を弄する毛利がその通りになるのか、ならないのか。その策を超える何かを長曾我部は出せるのか、出せないのか。それぞれが良かれと思って動いている思いと、その思いに素直に従ってくれない周りの状況、そういったあたりをじっくりと観ていただけたらいいなと思います。あと、戦いのシーンがどんな映像で描かれているのかは、僕も楽しみにしています」

中原「今回の第13話では瀬戸内の二人がメインになるのですが、僕が観てみたいと思っているのは、"富嶽の巨砲 (ふがくのおおづつ)"ですね。"富嶽"がどんな風に描かれているのかが楽しみなんです。映像的には、毛利と長曾我部の戦いのシーンが見どころになると思いますので、ぜひそこを楽しんでいただきたいですね」

坪井「全体を通しての見どころは、瀬戸内の二人の戦い、プラスそこに慶次が絡んでくるところがメインになると思いますが、一番の見どころはやはり"夢吉"なんですよね(笑)。夢吉は、コイツが本当は一番強いんじゃないかっていうぐらい、いろいろな技を持っているので、今回は夢吉をチェックしていただければいいかなって思います。全体通して、笑いがとれるのは"かすがの登場シーン"のみで、今回、利家とまつはお笑いを担当していません。そのあたりを楽しみにしていらっしゃる方にはちょっとごめんなさいなんですけど、その分、夢吉とかすがでお楽しみください」

甲斐田「OVAなので1時間にしてもいいのではないかと思うぐらい台本が厚かったのですが、それを30分にまとめあげているので、そのスピード感はものすごいモノになっていると思います。私たちも早く完成した映像を観たくて楽しみにしているのですが、皆さんにもぜひそのスピード感を味わっていただけたらいいなと思います」

桑谷「ゲームではほのぼのとした話が多い前田家の夫婦ですが、今回はそういったこともなく、真面目な武将としての貴重な姿が観られます。あと、『戦国BASARA』といえばやはり戦いのシーンですね。アニメ本編でもスピード感溢れる映像がすごかったので、今回の毛利と長曾我部の戦いのシーンは、私自身もすごく楽しみにしています」

――ありがとうございました


タイトル 戦国BASARA 其の七
発売予定日 2010年1月6日 品番 PCBE-53377
価格 4,725円
発売元 松竹 映像商品部 販売元 ポニーキャニオン
(C)CAPCOM/TEAM BASARA