内閣府は6日、9月の景気動向指数(速報)を発表した。速報によると現在の景気とほぼ一致して動く「一致指数」は92.5で、前月比で1.3ポイント上昇。景気に先行して動く「先行指数」は、前月から3.2ポイント上昇の86.4で過去最大の上昇幅となった。内閣府は景気の基調判断を「上方への局面変化を示している」とし、前月まで4カ月連続で続いた「下げ止まりを示している」から上方修正した。
景気動向指数は、景気の現状把握や将来予測に資するために作成された総合的な景気指標。景気変動の大きさなどを測定するCI(コンポジット・インデックス)と、景気転換点の判定に用いるDI(ディフュージョン・インデックス)がある。内閣府は2008年4月分よりDI中心からCI中心の公表形態へと移行している。
一致指数は今年3月に84.7にまで落ち込んでから6カ月連続で上昇。9月は所定外労働時間指数(製造業)が前月比4.5ポイント、投資財出荷指数(輸送機器を除く)が同3.8ポイント上昇するなどほとんどの項目で上昇。7月まで14カ月連続で悪化していた有効求人倍率も0.01%上昇とわずかながら改善している(8月は前月比横ばい)。
景気に先行して動く「先行指数」は7カ月連続の上昇。鉱工業生産財在庫率指数が6.1ポイント、最終需要財在庫率指数が4.6ポイントそれぞれ前月から落ち込んだものの、中小企業売上見通しD.Iが6.2ポイント、新設住宅着工床面積が5.4ポイントと大きく改善するなどし、全体としては3.2ポイントの大きな上昇幅となった。景気に対し遅れて動く「遅行指数」は前月比0.3ポイント上昇の84.5で。2カ月連続の上昇。