こんなツールを待っていた、SAP BusinessObjects Explorerの魅力

SAP BusinessObjects BIソリューションの特徴は、統合されたプラットフォーム上で複数の異なるフロントエンドツールを取り揃え、同じデータを元にあらゆるユーザーがそれぞれの目的にかなう情報活用・分析を行っていただけることです。

図1は、私どもが想定している、情報活用の軸で見たユーザー層とそれぞれ異なる特徴を持つBIフロントエンドツールのマッピングになります。左から順にSAP BusinessObjects Explorer(この後詳細に触れます)、分析担当者向けOLAP分析用のSAP Bex(Web) Analyzer、カジュアルな自由分析を実現するSAP BusinessObjects Web Intelligence、Flashを用いたダッシュボードを構築するSAP BusinessObjects Xcelsius、定型帳票に最適なCrystal Reports、といったように、さまざまなユーザー層の方に、各種業務において適切な情報活用を行っていただけるよう、特徴の異なるツールを取りそろえています。

図1: 各ユーザー層/各業務で適切に情報が活用されるために、特徴の異なるBIツールを提供

図1が示すように、SAP BusinessObjects Explorerはもっともカジュアルなツールとして位置付けられ、とにかく素早く簡単に、誰かに依頼することなく、どんな時にもユーザー自身が必要な情報に即座にたどりつけること。そして、データにより事実を確認し、さらに自動で表示される最適なグラフを活用することで、頭で想像するだけではおそらく思い浮かばなかった「なるほど=気づき」を瞬時に得る、そうした使い方を想定しています。

もちろん、操作方法に関しては、特別なトレーニングを必要とせず、いわば、インターネット検索、オンラインショッピングのような感覚でお使いいただけます。

図2-1のように、ユーザーはその場その場で思いついた疑問に対してキーワードを入力すると、関連性の高い順に検索結果が表示され、クリックすると、図2-2のようなレイアウトでその詳細データ全体が表示されます。

図2-1: まず、キーワードで検索

図2-2: 自動提案のグラフも表示

項目ごとの数値が並ぶだけでなく、キーワード入力や項目選択の状況に応じて最適と思われるチャートも、合わせて動的に表示されます。ユーザーはこの画面上のクリック操作だけで、データを絞り込む、切り口を変える、グラフの種類を変える、データを他の人に共有する…など、まさしく簡単で俊敏な情報探索が可能となるのです。ここで素早く得られた気づきを元に、さらに詳細分析をしてみる、担当部門に報告する、などユーザーにとってそれぞれ必要なアクションを起こすきっかけとなることでしょう。

お手持ちのExcelデータを用いて、簡単にこの新しいユーザーインタフェースを体験いただける、SAP BuisnessObjects Explorerのお試しサイト(Test Drive for SAP BusinessObjects Explorer)があります。ご興味のある方はぜひアクセスしてみてください。

企業全体レベルでの活用を目指して、進化を続けます

直感的なデータ検索と視覚化を実現するSAP BusinessObjects Explorerですが、多くのユーザーに開放してより広範囲のニーズを満たそうとすればするほど、検索対象は広くなり、すなわちデータ量が増大します。最後にSAP BusinessObjects Explorerの「高速性」についてご紹介いたします。

実は、SAP BusinessObjects Explorerは、SAP NetWeaver Business Warehouse Accelerator(以降 BWA)に直接アクセスできる、という革新的なアーキテクチャーにより支えられています。

BWAはご存じの方も多いと思いますが、インメモリ型インデックスにより超高速BIを実現するソリューションです。現時点では、SAP NetWeaver Business Warehouse(Version7.0以上)のみを対象としているのですが、図3が示すように、近い将来、BWデータのみではなく、あらゆるデータを利用可能とする計画があります。対象とするシステムを問わない、すなわち、技術的には、企業内に存在するあらゆる情報を全従業員がExplorerを通じて簡単に取得することも可能になります。

図3: SAP BusinessObjects 高速データ検索・活用の将来計画

当然ながら、Explorerで使い勝手が良くなっても、見ている情報が本当に正しいのか、整合性が取れているのか、といった足元の問題はしっかり整備する必要があります。こちらに関しては、前号で「トラステッド・インフォメーション」の重要性について触れていますので、参考にしてみてください。

先に述べたように、データの垣根を越えた超高速化の実現に向けてSAP Business Objects Explorerは進化を続けます。今後のSAP BusinessObjects BIソリューションのさらなる広がりにぜひご期待ください。

※ 本稿は、SAPジャパン発行の『SAP CERTIFICATION VOL.6』に掲載された特集『SAP BusinessObjectsがもたらす企業情報活用の革新 ~実践編~』を一部加筆のうえ転載したものです。