米AMDは11月4日(現地時間)、TDP(熱電力設計)125W版の「AMD Phenom II X4 965 Black Edition」を発表した。従来の同名モデルではTDPが140Wだっとところ、新リビジョンのコアを採用することでTDP枠の引き下げに成功している。1,000個ロッド時の価格は195ドル。日本市場でのリテール製品の発売日は11月6日で、価格は21,000円。

TDPが125Wとなった「AMD Phenom II X4 965 Black Edition」のサンプル。以下に掲載するベンチマークでは、この個体を利用している

45nm SOIプロセスで製造され、トランジスタ数は約7億5,800万個で、ダイサイズは258平方mm、コアのリビジョンはC3。動作周波数は3.4GHz。CPUパッケージはSocket AM3。キャッシュサイズはL1が512KB((inst64KB+data64KB)×4)、L2は2MB(512KB×4)、L3は6MB(共有)。内蔵メモリコントローラはDDR2/3両対応で、DDR2-1,066MHz/DDR3-1,333MHzまでのDIMMを利用できる。HyperTransportは3.0で、帯域は4GHz(2GHzの双方向)。動作電圧は0.825~1.4V、Max Tempは62℃、TDPは125W。

現在公開されている米AMDのプロセッサ仕様情報で、従来版のAMD Phenom II X4 965 Black Editionの仕様と比較すると、コアリビジョンがC2からC3へと変更されており、低電圧化が施されているあたりに違いが見られる。

■主な仕様の比較
Phenom II X4 965 BE(125W) Phenom II X4 965 BE(140W)
製造プロセス 45nm SOI 45nm SOI
トランジスタ数 約7億5,800万個 約7億5,800万個
ダイサイズ 258平方mm 258平方mm
リビジョン C3 C2
動作クロック 3.4GHz 3.4GHz
コア数 4 4
L1キャッシュ (64KB+64KB)×4 (64KB+64KB)×4
L2キャッシュ 512KB×4 512KB×4
L3キャッシュ 6MB 6MB
コア電圧 0.825-1.4V 0.85-1.425V
Max Temp 62℃ 62℃
TDP 125W 140W

ベンチマーク

以下は編集部で実施したベンチマークテストの結果。従来版からの変更が電圧の数値程度であるためか、アプリケーションの実行性能などについては大きな差異が見られなかった。よって、消費電力テストの結果のみ紹介する。特にロード時の消費電力で、TDPにふさわしい幅で、Watt値が削減されている点が注目点だ。

■テスト環境
CPU X4 965 BE (TDP125W版) X4 965 BE (TDP140W版)
M/B ASUSTeK M4A79T DELUX (AMD 790FX)
Memory Kingston KHX14400D3K2/2GX (1GB×2)
GPU ATI Radeon HD 3450 リファレンス仕様
HDD Seagate Barracuda 7200.11 (7,200rpm 1TB)
OS Windows Vista Ultimate