メディアフロージャパン企画とKDDIは4日、沖縄県のユビキタス特区における「携帯端末向けマルチメディア放送 サービス実証試験」の一環として、MediaFLO方式対応の携帯電話型試作受信機を利用し、多種多様なデジタルコンテンツを配信するサービス実証試験を開始した。

メディアフロージャパン企画では、2009年4月16日に多チャンネル放送実証試験を開始。実験用の20の映像チャンネル、3つの音声チャンネルを同時に送信し、「MediaFLO方式の最大の特徴である、統計多重方式による周波数利用効率の高さを実証した」(メディアフロージャパン企画とKDDI)。

今回の実証試験は、沖縄県那覇市・豊見城市のユビキタス特区において、KDDIが開発したMediaFLO方式対応の携帯電話型試作受信機を利用し、多種多様なデジタルコンテンツを配信する。

具体的には、30社超のコンテンツプロバイダーの協力を得て、リアルタイム映像と音声のストリーミング配信に加え、「株価情報」「交通情報」などの随時更新される情報をリアルタイムで配信するIPデータキャスティングの実証を行う。また、「ニュース映像」や「ビデオクリップ」、「着うたフル」などの音楽や、「映画」「電子書籍」「ゲーム」などのデジタルコンテンツを蓄積型で配信するクリップキャストの実証試験を実施する。

ニュース配信に関しては、ニュース記事と映像が一つの画面表示でリアルタイムに配信されるため、「映像で気になったニュースをクリックすると、詳細記事を確認することができる」(両社)。

また、音楽番組内でオンエアされる楽曲と連動し、暗号化されたコンテンツファイルを配信。番組を楽しんだ後に、気に入った楽曲の「着うたフル」やビデオクリップを視聴する権利を購入することで、「オンエアされた楽曲を何度も楽しめる」(同)。

2時間程度の映画をまるまる一本配信する大容量クリップキャストや、通信と連携した番組投票機能による双方向サービス、受信した情報の中から視聴者が必要とするデータのみ表示することができる株価情報コンテンツなど、「携帯端末向けマルチメディア放送(メディアフロー)ならではの新しいサービスや、沖縄県に関する観光や交通、天気といった地域情報を楽しむことができる」(同)。

両社では、「今後、受信機開発に必要となる様々なデータを取得していくほか、モニターの方を対象としたトライアルサービスによる受容性の調査などを行い、本実証試験により得られた結果をもとに事業化を検討する」としている。