「Windows 7発売開始週におけるパソコンの金額前年比は、マイナス成長から一転、プラス成長に」。全国有力家電量販店よりPOSデータを収集する市場調査会社GfK Japanは、10月30日付で、日本国内でのWindows 7発売直後のパソコン/パッケージ版OSの販売動向データを公開した。

公開されたのは、全国の家電量販店約4,500店における、Windows 7発売開始週(2009年10月19日~10月25日)の、パソコンとパッケージ版OSの販売動向。同社によれば、パソコンの販売金額前年比は、前週の20%減から1%増へと21ポイント回復。デスクトップPCの前年比は、前年割れから一転、販売数量10%増、金額6%増に。Windows 7パッケージ版の販売数量も、Windows Vista発売開始時の約1.8倍を記録するなど、それぞれ大きく改善している。

特に、Windows 7発売前後の前年比推移で変動がみられたのがデスクトップPCだ。デスクトップPCの前年比は数量、金額ともにマイナス成長が続いていたが、Windows 7発売週は前年を上回るだけでなく、特筆は6%の金額増で、これは前週の41%減から比較すると47ポイントの上昇。大幅な落ち込みから一転、プラス成長となった。Windows 7だけでなく、10月21日に発売開始となったアップルの新モデルも、販売を押し上げる要因となったようだ。

パソコン 数量前年比・金額前年比 (出典: GfK Japan)

対してノートPCの金額前年比は、平均価格がプラスに転じたことで前週の11%減から9ポイント上昇し、Windows 7搭載モデルの発売効果がみられたものの、数量前年比は前週から大きな変動はなかった。これについて同社は、ネットブック以外のノートPCの前年比は高まったが、近年、数量を押し上げていたネットブックの販売が落ち込み、数量の前年比は横ばいとなったと分析している。

パソコン 平均価格推移 (出典: GfK Japan)

また、デスクトップPCにおけるWindows 7搭載比率は61%と、ノートPCの43%より高く、Windows 7発売による影響は、ノートPCよりもデスクトップPCで強く表れている。Windows 7発売開始週のパソコン販売数量におけるデスクトップPCの構成比は23%と、前週の17%から6ポイント拡大。新OS発売開始直後の購入者は、パワーユーザーの比率が高いため、高スペックモデルのラインナップが充実しているデスクトップPCの販売が先行したと見られる。

ノートPC/デスクトップPC 搭載OS数量構成比 (出典: GfK Japan)

Windows 7パッケージ版の販売数量は、前述したようにWindows Vista発売開始時(2007年1月29日~2月4日計)の約1.8倍を記録。また、発売開始前4週間で合計したWindows 7予約数も、同Windows Vistaの約4倍となったという。パッケージ版のエディション別の数量構成比は、Home Premiumが63%ともっとも高く、次いでProfessionalが22%、Ultimateが15%と続いた。

パッケージ版Windows VistaとWindows 7販売数量比較 (出典: GfK Japan)