鈴木京香

映画『サイドウェイズ』(チェリン・グラック監督)が、31日に公開初日を迎え、東京・お台場での舞台挨拶に小日向文世、生瀬勝久、菊地凛子、鈴木京香が登壇した。

米アカデミー賞脚色賞に輝いたハリウッド映画『サイドウェイ』の日本版であり、全編にわたってカリフォルニアで撮影が行われた本作。主人公の道雄を演じた小日向は、「本日は朝早くから、隣で『THIS IS IT』もやっているのに(笑)、この映画を選んでくれてありがとうございます」と感謝する一方、公開初日を迎えたことに複雑な思いも抱いている様子で、「1年前の今頃、カリフォルニアでの撮影も大詰めで、『来年の秋に公開なんだよね』と話していたんですよ。それがあっという間にこの日を迎えて。嬉しいような、でも今日でこのメンバーともお別れなのかと思うと、寂しい気持ちが大きいですね」。

道雄が20年前に片思いし、ワインの聖地ナパ・バレーで再会する麻有子役の鈴木は、本作を「よくできた年のワインのように、いつまでも素敵な雰囲気で、いい思い出を醸し出してくれるような映画に仕上がったと思います」と評価。「できたてのボジョレー・ヌーボーを味わう感覚で、映画を楽しんでいただけると嬉しいです。そして映画を見た後も楽しく味わえる作品だと思うので、DVDになってからも末永くかわいがってほしい。……公開の時に言うのも変ですが(笑)」と述べ、観客や報道陣の笑いを誘った。

「劇中の『最短距離がベストな道のりとは限らない』が大好き。遠回りしてもいいことがあると思えるのは素敵ですよね」と小日向

元々『サイドウェイ』が大好きという鈴木。「マヤ(ヴァージニア・マドセン)と同じ役ができて、私の新たなページが開かれました

「撮影から1年、白髪もこんなに増えて」と生瀬。直後に「…染めてるんですけどね(笑)」と自らツッコミを入れ、観客からも笑いが

撮影を楽しんだ様子の菊地。「ひとりで海外ロケは二度と行きたくないけど(笑)、この皆さんとならもう一度行きたいと思いました」

菊地は撮影を振り返り、「すごい役者さんたちに囲まれ、私が一番楽しんでいたんじゃないかと思うほど自由に演じていて。こういうプレッシャーを感じない現場がずっと続くといいなと思いました」。すかさずMCから「それだけ他の映画が大変だったのだろうと受け取りましたが……」とツッコミが入ってしまい、菊地も苦笑い。一方、生瀬は「ロケ中に撮った写真を皆様にご紹介しようと思って」のコメントとともに、携帯電話を取り出し、「こんな魚を釣ったんですよ」「京香さんとサンフランシスコで買い物した写真がこれです」と紹介する一幕もあった。

最後は観客をバックにフォトセッションが行われ、特大ワイングラスを持った小日向の「お客様は神様です!」の発声とともに乾杯。撮影が終わると、小日向はワインを一気に飲み干し、本作の公開を祝福した。

ワイングラスを片手にフォトセッションに臨む出演者たち。チェリン・グラック監督(左端)は、「この4人じゃないと絶対できない作品。僕は添乗員の感覚で楽しんでいました」