メーカー製PCが嫌いという人には、購入したPCに大量にインストールされているお試し版などの"不要なアプリ"の存在をその理由に挙げる人々も多いだろう。だがこれはMicrosoftも認識しているようで、こうしたアプリを除去して基本アプリのみを搭載した「Microsoft Signature PC」と呼ばれるPCを先日オープンしたばかりの同社リテールストアで展示し、実際に販売を開始している。
先日、米アリゾナ州スコッツデールにオープンしたばかりのMicrosoft Retail Store。元Apple幹部を迎え入れて準備を進めたことで「Apple Retail Storeの後追い」と揶揄されていたりもするが、今後の同社を占う上でいくつか興味深い試みが行われている。米TechFlashが27日(現地時間)付けの記事で伝えるところによれば、その1つが前述の「Microsoft Signature PC」と呼ばれるもので、"Signature (お墨付き)"の文字が示すように、メーカーが主に利己目的で大量に導入している"Crapware"や"Bloatware"と呼ばれる不要なアプリケーションを除去し、必要最小限のもののみを導入して提供する非常にクリーンなPCが展示されている。Retail Storeというだけに、店舗での販売を行っているほか、同社オンラインサイト(米国)からの購入も可能だ。
これは、従来まで販売手法はOEMパートナーやチャネルに任せるというスタンスをとっていたMicrosoftにとって、実際の販売手法に踏み込み、かつ自身が販売チャネルを持つという新しい試みにチャレンジしていることを示している。だがSignature PCはMicrosoft謹製の製品というよりは、その販売プログラムに賛同したメーカーが協力しているというスタンスのようだ。同プログラムにはHP、Dell、Acer、Lenovo、ソニーなどが参加しており、オンラインまたはリテールストアを通して製品の購入が可能。
実際にSignature PCにどのようなアプリが導入されているかは、Asus EeePCの例でいえば、Microsoft Security Essentials、Silverlight、Bing 3D Maps、Zune 4.0、Windows Live Essentials、そしてAdobe FlashとAdobe Readerとなる。Windows Live Essentialsに含まれるのは、Windows Live Messenger、Windows Live Mail、Windows Live Photo Galleryなど。Windows LiveやZuneがCrapwareに含まれるかは人によって意見の分かれるところだが、基本的に必要最小限の機能セットといえそうだ。