総務省統計局は30日、2人以上世帯の家計調査報告(9月分速報)を発表した。1世帯あたりの消費支出は27万7,110円で、価格変動の影響をのぞいた実質で前年同月比1.0%増の増加となった。増加は2カ月連続。前月比(季節調整値)は0.1%の増加だった。

実質支出の増加には、新型インフルエンザの流行が影響。保健医療サービスや医薬品などを含む「保健医療」が13,172円で前年同月比11.6%と大きく伸び、特にマスクを含む「保健用消耗品」は同52.9%増に。また、「医科診療代」も10.0%増となっている。また、今年は大型連休(シルバーウィーク)があったことで、おみやげや親せきとの食事代が含まれる「交際費」が増加に大きく寄与した。そのほか、エコポイント制度の導入によるテレビや大型冷蔵庫などへの支出も好調。一方減少が大きかった項目は「住居」1万4,935円(前年同月比6.8%減)や「家具・家事用品」の8,989円(同3.8%減)など。「被服及び履物」は9,651円(同2.5%減)で10カ月連続の実質減少となった。

サラリーマン世帯の実収入は42万2,120円で前年同月比実質0.1%減と2カ月連続の減少。世帯収入のうち、世帯主収入が35万3,144円で同0.5%増(2カ月ぶりの実質増加)、配偶者収入が4万9,872円で同0.8%増(2カ月連続の実質増加)となったが、「他の世帯員収入」がマイナス22.9%と大きな減少となっていることが影響した。

総務省統計局の担当者は「9月の実質増加には、シルバーウィーク、新型インフルエンザの流行に加え、エコポイント制の要因もあるが、方向としては(消費は)回復に向かっている兆しが感じられる」と話している。