ニワンゴは28日、ニコニコ動画の新バージョン『ニコニコ動画(9)』を発表した。夏野剛氏(ドワンゴ取締役)、西村博之(ひろゆき、ニワンゴ取締役)氏の両名がニコニコ生放送を通じて概要を説明、事業黒字化の阻害要因と言われる「ニコニコ大会議」も全国ツアーとして無事開催されることがアナウンスされた。
ニコニコ生放送中の夏野剛氏(左)と西村博之氏。黒字化については「まだだが、ユーザは増えている」。2009年10月現在のユーザ数は約1,457万人、プレミアム会員は約55万人。10代の1/4、20代の半数、30代の1/10がニコニコ動画のアカウントを持つというデータを提示。さらに今後は"ニコ動の一般化"を目指して、10~30代の"非ニコ動ユーザ"を取り込んでいく……ための新バージョンでもある |
見たい動画に出会える改善を
ニコニコ動画(9)(にこにこどうが きゅー)は、夏野・ひろゆき両名によれば、"数えようによっては"ニコニコ動画の9番目に当たるバージョン。(仮) → (β) → (γ) → (RC) → (RC2) → (SP1) → (夏秋冬) → (ββ)……という流れになる。強引な個所も見受けられるが、諸説ありつつ、なんとなくの"9"のようだ。この最新バージョンには、10月29日(木) 午前9時30分より切り替えられる。
新バージョン(9)ではUI面で各種機能が追加されている。ニコニコ動画上でのユーザ行動をライフログ的に記録する「ニコレポ」は、ユーザ間での相互公開が可能。任意のユーザを「ウォッチリスト」に登録することで、自身のニコレポ上で他ユーザの行動を確認できるようになる(非公開設定も用意)。動画再生後メニューには、各種機能を利用するアイコンが追加された。ブログへの貼り付けや動画投稿者の他作品の表示、「ニコニコ大百科」との連動などのほか、新機能「とりあえずマイリスト」への登録も可能に。気になる動画を最大500件(一般会員は100件)まで簡易登録する機能で、従来のマイリストへの移動も可能となっている。詳細は下記動画を参照してほしい。
ユーザが興味のある動画を見つけやすくするための改善も実施した。カテゴリの廃止・追加を行なったほか、各カテゴリを「エンタ・音楽・スポ」「教養・生活」「政治」「やってみた」「アニメ・ゲーム」「アイマス・東方・ボカロ」の6グループに分類。また、動画へのアクセスに利用される総合ランキングもカテゴリグループ別に用意した。ひろゆき氏は、従来の総合ランキングは「一部(のジャンル)の動画が上位に来てしまい、(そのジャンルに興味のない)それ以外の人には楽しくない」と説明。新バージョンからは、再生数/ コメント数/ マイリスト数/ 宣伝ポイントを集計して順位を算出、順位操作の影響を受けにくい仕組みに切り替えた。
新着動画をニコニコ生放送で流す新番組「世界の新着動画」もスタートする。冒頭30秒間の再生後に表示されるアンケートの結果次第で、視聴継続の有無が決まるという仕組みになっている。放送時間は毎日夜8時から。
このほか、外部プレイヤーの全開放/ RSSリーダー/ ニコレポレーダー(マーキーエリアでのニコレポ確認など)/ ビットレート・解像度の制限解除(プレミアム会員)など多数の機能追加・強化が行なわれている。
ニコニコ大会議 2009~2010 ニコニコ動画(9) 全国ツアー
ニコニコ動画は過去に、大きなバージョンアップにともない、大がかりなイベント「ニコニコ大会議」を開催してきた。夏野氏いわく「これさえやらなきゃ黒字になっている」とのことだが、バージョン(9)でも開催することが決定した。前回までの東京開催ではなく、全国ツアー方式。2009年11月14日から2010年2月6日にかけて、仙台を皮切りに、金沢・高知・福岡・大阪・名古屋・札幌・広島の8都市で開催される。各会場には夏野・ひろゆき両名も登場し、会場ごとに新機能やサービスの先行発表を行なうとしている。ツアー申し込みは専用サイトから。