KDDIは27日、太陽光発電と蓄電池の連携、深夜電力を活用する「トライブリッド方式」の電力制御技術を、2009年12月下旬から、au携帯電話基地局に対して実験的に導入すると発表した。
KDDIによると、太陽光発電を設置した基地局は従来、主に商用電力の利用が難しい地域に導入されていた。また、全基地局に装備している蓄電池の用途は、停電時のバックアップに限定されていた。
今回同社が開発したトライブリッド方式電力制御技術は、「太陽光パネルで発電された電力」「深夜電力により蓄電池に充電された電力」「商用電力」の3つの電力を制御。時間帯ごとに最も効率的に基地局へ電力を供給することで、CO2の排出削減が可能になる。この技術により、「商用電力の使用量とCO2排出量において、それぞれ20%から30%の削減が見込まれる」(KDDI)としている。
さらに、蓄電池の小型・軽量化や長寿命化、鉛金属削減による環境負荷の低減も実施することで、「これまで主流だった鉛タイプの蓄電池に加え、リチウムイオン電池を用いた検証を進めるとともに、設置環境における課題を抽出し本格導入に向けた検証を行う」(同社)。
同社では今後、「この電力制御技術を通信局舎やデータセンター、家庭での利用拡大が期待されている省エネシステム(スマートハウス)へ活用することを検討していく」としている。