「ノートン インターネット セキュリティ 2010」の持つポテンシャルの高さは、過去の記事で十二分にご理解いただけたのではないかと思う。革新的な「Quorum(クォーラム)レピュテーション」技術を筆頭に、業界でも最高峰を誇るスキャンスピードの速さ、それに加え「ノートンインサイト」によるきめ細かなセキュリティ体制は、長年インターネットセキュリティと対峙してきたシマンテックならではである。そこで前後編の二回に渡り、実際に「ノートン インターネット セキュリティ 2010」をインストールしてその使い勝手をチェックしていきたいと思う。

・レピュテーション技術だけではない! 有機質な魅力を持つ「ノートン2010」
・サイバー犯罪者に宣戦布告! 全世界3,500万人のユーザーがネット上の不正を追い詰める「ノートン2010」のQuorumレピュテーション

「ノートン インターネット セキュリティ 2010」と「ノートン アンチウイルス 2010」

インストールは本当にあっという間!

「ノートン インターネット セキュリティ 2010」の魅力のひとつとして、インストールの簡便さがある。既にシマンテックWebサイトなどをチェックしたり、店頭でパッケージをご覧になった方はご存じかと思うが、ダイアログに従って操作するだけで簡単にセットアップすることが可能だ。インストールするPCの性能によって多少の増減があるものの、"1クリック、1分"という即効性で悪意あるプログラムからPCを保護することができる。

プログラムのインストール/実行]を選択すると[Norton Internet Securityにようこそ]というウインドウが立ち上がるので、[Norton Internet Securityのインストール]をクリック

ガイダンスに従いプロダクトキーを入力。[ユーザー使用許諾契約]のチェックと、画面下部にある「サイバー犯罪対策のための情報提供に賛同して選択したセキュリティ情報をシマンテック社に自動的に転送する」かどうか自身で判断してチェックボックスにチェック

[同意してインストール]をクリックするとインストールが開始される

インストールは即効で完了。手軽な操作で自身のPCをサイバー犯罪者の脅威からプロテクトしてくれる

「ノートン インターネット セキュリティ 2010」の基本画面がこちら。画面デザインが一新され、セキュリティの実施状況やPCのパフォーマンスなどがひと目でチェックすることができる

「Norton」はどれほど快適なのか。その実力や如何に?

インストールが終了したら、まずチェックしておきたいと誰しもが思うこと。それは、インストールしたPCがウイルスやマルウェアといった悪意あるプログラムに犯されていないか。加えて、数あるセキュリティ対策ソフトから「ノートン インターネット セキュリティ 2010」を選ぶひとつの選択肢となったであろう「快適性をスポイルすることなく高度なセキュリティレベルを実現」しているというパフォーマンスも気になるトコロだ。そこで、リアルタイムなオンラインインテリジェンス技術を駆使して、快適性を保ったままスキャンすることが可能な「ノートン インターネット セキュリティ 2010」の最大の魅力を試してみることにした。

まず、基本画面の[コンピュータ]の項にある[今すぐにスキャン]をクリック。すると、[クイックスキャン][システムの完全スキャン][カスタムスキャン]の三種類からスキャン方法を選択することができる。インストールした直後は、念のため[システムの完全スキャン]を行っておくのがベターなので早速実行させてみた。

[今すぐにスキャン]をクリックすると、3つから任意でスキャン方法を選択することができる。前回に実施された日付が記されているので、PCのチェック状況が把握できるのが嬉しい気遣いと言えよう。今回は、[システムの完全スキャン]を実行してみた

スキャン実行中にはこのようなウインドウが表示される。スキャンウインドウを最小化すると、[スキャンポリシー]ウインドウが表示されウイルススキャンの優先度を低くし、他のプログラムを優先することによってより快適にスキャンすることも可能

Internet Explorer8を起動してブラウジングを行い、Microsoft PowerPointでプレゼンテーション資料を作成、Photoshopで画像の加工を行いながらスキャンしたが、それらのプログラムに干渉することなくスキャンしていた

スキャン時にMicrosoft PowerPointでプレゼンテーション資料を作成しつつWebサイトをブラウジング、資料となる画像をキャプチャーしてPhotoshopで画像を加工する、といった複合的なPC使用環境下においても、スキャンから影響される不快さは一切感じなかった。

むしろ、その存在を忘れていたと表現すべきだろうか。また、驚嘆すべきは[クイックスキャン]では、実行させてからほんの1分足らずでスキャンが終わってしまったことだ。これは、"SONAR2(Symantec On-line Network for Advanced Response)"や"Quorum(クォーラム) " レピュテーションなどの技術を複合的に組み合わせ、リスクの高いファイルに狙いを定めてスキャンするシマンテック独自のノウハウが詰め込まれた革新的技術の賜にほかならない。

短気な筆者でも、逆にここまでストレスを感じさせない、存在すら希薄に思えてしまうと「えっ! もう終わっちゃったの?」と勘繰りたくなるほど。だが、使えば使うほど「ノートン インターネット セキュリティ 2010」がもたらす快適さが、従来までのセキュリティソフトとは一線を画すものであることに感嘆するはずだ。

クイックスキャンの実行速度は非常に高速かつ、一切のストレスを感じない。というのも、スキャンが完了するまで僅か1分未満(筆者PC環境下。手動計測にて)で終わってしまうからだ

高速なスキャンスピードの背景には、レピュテーション技術の貢献が多分にある。ファイルの作成日・更新日や、振る舞いの検知によって信頼できるファイル・プログラムか否かをスクリーニングしてあるため、セキュリティリスクが高いであろうファイルに照準を定めてスキャンを行うからだ

スキャン結果も非常にわかりやすく記述されているうえ、[結果の詳細]タブをクリックすればどのようなリスクに晒されていたか、そのリスクは解決したのかがリスト化される。結果自体をエクスポートして保存しておくことも可能だ

PCに何らかの脅威が迫っていた場合、このようにスキャン終了後にリスクの度合いや内容、そのリスクに対する処理をどうするかを訪ねてくる。「どうすればいいの!」と慌てることなく[すべてを適用]さえクリックしてしまえば大抵のリスクは解消される

高い安心感が得られる「Norton」の秘密

サクサクと快適に行われるスキャン性能は、実際に体験してみて誇張ではなく事実に基づいたものだというのが理解できた。今まで使用してきたウイルス対策ソフトの"もっさり感"、「どうせウイルス対策ソフトを導入すると動作が重たくなるんでしょう?」というネガティブに想い描いていたイメージを、「ノートン インターネット セキュリティ 2010」は良い意味で裏切ってくれた。では、安心感や信頼性といった面ではどうなのだろうか。

「ノートン インターネット セキュリティ 2010」の基幹となる"Quorum(クォーラム) " レピュテーション技術は、クラウド上にある情報をもとに「そのファイル・プログラムが危険であるか否か」を評価していくというもの、というのは既にお伝えしたとおり。

従来までのウイルス定義パターンファイルを逐一更新していくセキュリティシステム運用では、その網から溢れ出た新種や亜種を捉えきることが難しかった。また、ウイルス定義パターンファイル自体が肥大化し、ネットワークへの負荷やパフォーマンスの低下を招いていたのも事実だ。

しかし「ノートン インターネット セキュリティ 2010」では、パルスアップデートによって負荷を掛けることなく、つねに最新の評価軸となる情報を更新している。従来のように「そう言えばシステム管理者からウイルスの更新パターンファイルがアップデートされたからインストールしておけって言われたなぁ」といったユーザー主導型ではなく、シマンテックに用意されたサーバへ5~15分に一度のサイクルでアクセスして更新ファイルの有無を判断、必要に応じてソフトウェアが自動で更新の管理、実施をしてくれるのだ。

これによって、ヒューマンエラーによるウイルス感染のリスクを低減させるとともに、面倒なウイルス定義パターンファイルのアップデートという手間から解放されるというわけだ。実際「ノートン インターネット セキュリティ 2010」を利用していて感じたのが、手間と言えるのはインストール時の僅かなものだけで、その後は殆どノータッチで運用できること。それでいて確かな安全性を確保してくれているのだから、これほど便利なものはない。

バックグラウンドでLiveUpdateがこまめに行われているため、基本画面の[LiveUpdateを実行]を押下しても瞬時に終わってしまう。なのでユーザーはつねに最新のセキュリティ環境下で保護されるというわけだ。しかも、そこに何ら手間が必要ないのが「ノートン インターネット セキュリティ 2010」の最大の魅力とも言える

パルスアップデートをはじめとするバックグラウンドで実行されるジョブを確認できるのが[Nortonタスク]。CPUやメモリの使用率をグラフで視覚的に確認したり、バックグラウンドジョブが何時実行されたのかが一目瞭然。また、バックグラウンドジョブのリストの先頭にあるボタンをクリックすることでも任意でジョブを実行させることができる

「もっと強く、もっと速く、もっと簡単に」と広告で謳われた「ノートン インターネット セキュリティ 2010」のセールスポイント。インストールの簡便さ、ウイルススキャンのレスポンスの良さに加えCPUに負荷を与えることなく軽快であること、そしてリアルタイムなオンラインインテリジェンス技術によりつねに最新のセキュリティ状態が保たれ続けることが確認でき、信頼性の高さを実感することができた。

しかし、「ノートン インターネット セキュリティ 2010」には他社製品にはない魅力が用意されている。次回は[システムインサイト]や[ファイルインサイト]、[ダウンロードインサイト]の利便性と安全性について利用者目線で深掘りするとともに、よりインターネットライフを快適にするための「ノートン インターネット セキュリティ 2010」活用術&カスタマイズ指南を展開していこう。

「Nortonインサイト」のアプリケーション評価画面。第三者が"これは安全"と評価しているものを見ることが可能なうえに、同じファイル・プログラムをどの程度の人々が使用しているかなどが簡単に把握できる

[ファイルインサイト]では、[Nortonインサイト]で表示されていた個々のファイルの詳細な情報を知ることができる

Internet Explorerに追加された[Norton Toolbar]によって、ブラウジング時におけるIDやPasswordの管理を安全に行えるほか、特定の検索エンジンの結果にもレピュテーションが表示される。次回はさらに一歩踏み込んだ"Nortonの便利な活用術"を展開していく