今回のモーターショーは、残念ながら海外の自動車メーカーの参加が少ない。BMWアルピナとロータス、それと開催直前に参加が決まったケータハムの3社だ。今回は輸入車メーカーとカロッツェリア(デザイン工房)が手がけるクルマを紹介しよう。
BMWアルピナの世界初出展「B7 BiTurbo Long」に注目
BMWアルピナは「B7 BiTurbo Long」をはじめ、日本唯一のアルピナ・スポーツ・ディーゼル「D3 BiTurbo」などを展示。また、特別出品としてFIA GT3 ヨーロッパ選手権参戦中の「B6 GT3レーシングカー」も展示された。
スポーツ性と快適性を統合させたB7 BiTurbo Longは全長5227mm、全幅1902mm、全高1494mmで、「B7 BiTurbo Limousine」の全長5087mmよりも140mm延長されている。B7 BiTurboはBMW7シリーズをベースとする4世代目のモデル。特別に設計された総アルミ製の4.4L V8ツインターボエンジンは最高520PS(382kW)、最大72.9kgm(715N・m)のトルクを発生する。高出力エンジンはアクティブロール制御付電子制御サスペンションとの組み合わせにより、このクラスではたぐいまれなドライビングエクスペリエンスを可能にしているという。
「B3 BiTurbo カブリオ」は最高出力370PS、最大トルク51.9kgm(500N・m)を出力する3.0L直列6気筒エンジンを搭載するオープンカー。「D3 BiTurbo」は、2.0L直列4気筒ディーゼルエンジンを搭載し、最高出力は214PS(157kW)、最大トルクは45.9kgm(450N・m)を発生する。
全長5227mmの迫力「B7 BiTurbo Long」。車両重量は2070kg |
コンパクトなボディながらハイパフォーマンスエンジンを搭載する「B3 BiTurbo カブリオ」 |
BMW 123dをベースにしたディーゼルエンジンを搭載する「D3 BiTurbo」 |
B6 SをベースにしたGT3マシン「B6 GT3レーシングカー」も展示された |
ロータスブースには光を吸い込む漆黒のエキシージも登場
今年6月に国内で発売されたばかりの「Evora(エヴォーラ)」は、世界で唯一ミッドシップでありながら2+2のシートレイアウトも設定されているハイパフォーマンススポーツカーだ。280PS(206kW)を生み出すロータス専用の3.5LV6エンジンを搭載しながら、アルミモノコックシャーシとFRPボディで総重量はわずか1382kgしかない。0~100km/h加速はわずか5秒強、最高速度は260km/hを超える。トランスミッションは6速MTで、ホイールはフロント18インチ、リア19インチとなっている。
そして今回発表され、注目したいのが、"ロータスが持つ暗黒面"と自ら宣言している「エキシージ・ステルス」だ。マットブラックのボディカラーとカーボンファイバーを使ったデザインからその名が付けられたスペシャルエディションで、世界限定35台。0~100km/h加速は4.1秒、ローンチコントロールとトラクションコントロールを標準装備している。最高260PSを出力する1.8Lスーパーチャージャー・インタークーラー付きエンジンを搭載し、さまざまなコンポーネントに軽量カーボンファイバーが採用され、ロータス・エキシージSから10kgの軽量化を実現。総重量はわずか925kgとなっている。
ケータハムは、新フレームとワイドボディの最新スーパーセブンを出展
「CSR 300」は、コックピットのレイアウトが変更になったほか、エンジンを現行のCSR 500に搭載されたFord Duratech 2.3からFord Duratech 2.0へ変更し、低価格化された。車両重量は575kg、最高出力175PS(135kW)。
「Superlight R300」は、名前のとおり軽量なスポーツモデル。不要なコンポーネントをすべて取り払い、カーボンファイバーを多用することで可能な限りの軽量化を図っている。諸元は現行の「Superlight 300」とほとんど同じで、出力をアップさせたモデルになっている。
独創的なカロッツェリアコーナー
小さなデザイン工房が手がけたクルマを集めたカロッツェリアコーナーを見てみよう。大きな自動車メーカーとは違って、独創的でユニークなクルマが多いのが特徴だ。