紀州鉄道(和歌山・御坊市)はこのほど、製造より49年間走り続けたディーゼルカー「キハ603」の定期運行を25日に終了すると発表した。1960(昭和35)年に製造されて大分交通の耶馬渓線で活躍した後、1976年から紀州鉄道で33年にわたり運行していた。昭和時代の風格を残す姿は鉄道ファンに人気だったという。
紀州鉄道は営業距離2.7kmで、2002年に成田市の芝山鉄道(2.2km)が開業するまでは日本一短い鉄道として知られた。キハ603は紀州鉄道の顔として活躍。地元自治体も観光要素のひとつとして重視していた。しかし、車体の老朽化により安全運行が難しくなり、北条鉄道から譲渡された車両と交代することになったという。
最終列車は御坊駅15:25発の西御坊行き。その後、西御坊駅より紀伊御坊まで回送されるという。車輌の保存方法については検討中とのこと。