YouTubeでじわじわ話題となっている「Helicopter Boyz」をご存知だろうか。2人の少年が音楽に合わせてダンスパフォーマンスを繰り広げるという動画なのだが、よく見ると彼らは全身にデジタルカメラを装着しているのだ。
Helicopter Boyzで使用されているのは、23日にニコンから発売される世界初というプロジェクター搭載デジカメ「COOLPIX S1000pj」。同モデルでは、きょう体前面に搭載されたプロジェクターで、撮影した画像を投影できる、というのが最大の特徴だ。各社がコンパクトデジカメの"新たな一手"を模索する中、投入される"プロジェクターデジカメ"の実力を発売前に試してみた。
最大40型相当の画面サイズ
デジカメの画像を見る場合、大画面で見たければPCに取り込んだり、薄型テレビに映したりといった方法がある。しかし、そういった機材が近くにない場合、デジカメの背面液晶を使うことになる。
最近は大画面になってきたとはいえ、一部を除けば大きくてもせいぜい3型程度で、なかなかみんなで撮影画像を楽しむことができない。大画面のフォトビューアーもあるが、常に持ち歩いているとは限らない。そんなときに役立つのがこのCOOLPIX S1000pjだ。これを使うことで、最大で40型という大画面テレビ並のサイズで撮影画像や動画を閲覧することができるのだ。
使い方は簡単だ。本体上部にあるプロジェクターボタンを押すだけ。すると前面にあるプロジェクター窓のバリアが開き、プロジェクターが動作し、撮影した画像が投影される。
そのサイズは、本体前面から26cmの距離で5型、1mの距離で20型、2mの距離で40型相当。これだけのサイズで表示できるので、カメラの小さい画面に集まって見る必要がなくなり、みんなで画像を閲覧できるようになるのだ。
プロジェクターなので、周囲を暗くする必要があり、投影場所も平らな壁面などが適している。特に独自開発の超小型プロジェクターということで、光量自体はそれほど大きくなく、その分、きちんと周囲を暗くしないと画面は見えにくいが、それさえ配慮すれば、大きなサイズで画像を見られるというのは大きなメリットだ。
閲覧する際は、付属のスタンドを本体下に取り付けると、少し上を向くような感じで設置できるので、壁に投射するのに有効。ただし、プロジェクターを上に向けて投射すると、台形の歪みが発生してしまい、それを補正する機能はない。本体上部のスライドレバーでフォーカスを合わせることは可能だ。リモコンも付属し、画像送りなどの操作ができるので便利だ。
プロジェクター表示時のスライドショー再生にも対応。画像送り時の効果も選択でき、「モザイク」や「ページめくり」などのほか、パンダのキャラクターのアニメーションを画面上に表示させるといったことも可能だ。スライドショーと同時にBGMを再生することもできる。
ちなみに、本機はカメラに直接ACアダプターを接続して充電するため、充電しながらプロジェクターを使うことも可能だ。
操作は簡単だし、手軽に大画面で画像を楽しめるので、旅行先の夜にみんなでわいわいと画像を見たり、現場の写真を帰社してすぐに上司に報告したりと、プライベートからビジネス用途まで幅広く活用できる良さがある。
ボディも通常のコンパクトデジカメ並みに小型化されており、モバイルプロジェクターとしても小さい。他社カメラで撮った画像も(COOLPIX S1000pj上で再生できれば)プロジェクターで投影できるので、友だちのカメラのSDカードを挿して画像を表示するといったこともできる。PC接続のプロジェクターのようにあらゆるファイルを投影できるわけではなく、COOLPIX S1000pjが対応する画像や動画に限った機能ではあるが、高速で静かに動作するプロジェクターとして実用的で楽しめる機能に仕上がっている。