歯周病や口臭など、口内のトラブルを抱えながらもしっかりとした対策をしないまま、毎日を過ごしてはいないだろうか。
なかでも、虫歯の痛みのような自覚症状がなく「サイレント・ディジーズ(沈黙の病)」とも呼ばれる歯周病は、放置しておくと歯を支えている骨がおかされ、歯が抜けてしまう恐ろしい病気だ。また、糖尿病や呼吸器系疾患、心疾患といった疾患がある場合、悪化させてしまう要因になることから、歯周病と全身疾患との関係が、近年の研究で指摘され始めている。20代の若年層でも歯周病になる人が多く、特に妊娠中の女性や喫煙家は歯周病のリスクが高いとされる。
歯周病の原因となるのが、歯垢と呼ばれているデンタルプラークだ。デンタルプラークは細菌のかたまりで、成熟するとぬるぬるした膜を作り、スライム状の細菌の巣(バイオフィルム)と化す。バイオフィルムは抗菌成分が浸透しにくく、細菌の増殖の温床になる。
こうしたデンタルプラーク(バイオフィルム)を除去するには、歯磨きだけでは足りない。歯磨きでケアできる口内の汚れは主に歯の表面部分で、口内の約25%と言われている。残りの約75%の部分をケアするには、口内のすみずみまで届く液状であるマウスウォッシュを使う必要がある。
マウスウォッシュには、口内を殺菌する薬用効果のある医薬部外品のものと口臭をマスキングする化粧品の2種類がある。口臭や歯周病の原因となる細菌の巣(バイオフィルム)にまで浸透して殺菌、除去できるのは薬用(医薬部外品)のマウスウォッシュで、「薬用リステリン」(以下、リステリン)などがその部類に入る。
マウスウォッシュの日本での使用率は約3~4割。アメリカ国内におけるマウスウォッシュの使用率は6割を超え、その差は2倍程度に上る。その理由について、リステリンの輸入販売を手がける、ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社コンシューマーカンパニーの担当者に聞いてみたところ、このような答えが返ってきた。「アメリカでは、歯科医師から必ずと言っていいほど、薬用マウスウォッシュの使用が薦められます。また、日本ではCMなどの影響でエチケット目的というが側面が大きいのですが、アメリカでは歯周病予防という意識が強い。歯周病予防だと考えれば、毎日の継続使用は欠かせません。こうした理由が薬用マウスウォッシュの使用率の差となって現れているのでしょう」。
では、薬用マウスウォッシュはどのように使うと効果的なのだろう。「一般的に歯垢と呼ばれているデンタルプラークは、特に寝ている間に増殖します。寝起きである朝は、寝る前の200倍になることもあると言われています。さらに、約24時間後には目に見えるほど増殖していきます。ですので、就寝前(もしくは食後)と朝、歯磨きとセットで薬用マウスウォッシュを使うと効果的でしょう」(リステリン広報担当)。歯磨きとセットというところが重要なポイントだ。「たとえば、カレーライスをスプーンで食べると、カレーがすっかりきれいには取れずにお皿に少し残りますよね。そして、そのお皿をきれいにするには、洗剤で洗い流しますよね。このスプーンにあたる役割が歯ブラシ、洗剤が薬用マウスウォッシュです。原因菌を取り除くには、この2つを組み合わせることが重要です」。さらに、歯と歯の間を掃除するデンタルフロスを組み合わせると、歯ブラシでは届かない歯間部の歯垢を取り除くことができ、より効果的だ。
リステリンであれば歯磨き後、約20ml(1Lボトルだとキャップに半分)を15秒程度口に含んでゆすぐことで十分に口内を殺菌することができる。30秒以上であればほとんどの病原菌を殺菌することが可能とのことだ。もし、薬用マウスウォッシュ特有の辛味が気になるのであれば、同量程度の水で薄めて使っても効果はあるという。また、後味が気になる人は、ゆすいだ後、水で口をすすいでもいいだろう。
歯はいつまでも健康でありたい、誰もが思うところだ。毎日、かかさず続けていけば歯周病のリスクが大幅に下がるという研究結果もある。リステリンには計6種類がラインナップされているので、まずは購入してみるというのも手。薬用マウスウォッシュ初心者であれば、リステリンのソフトミント味がお勧めだ。まろやかなバニラミントフレーバーでピリリとした辛さの中に、甘みが感じられる商品。また、ターターコントロールはジンククロライド(塩化亜鉛)を配合し、歯石の沈着予防が可能。そして、リステリン上級者ならスーパードライテイストの「オリジナル」を一度試していただきたい。善は急げ、今日から薬用マウスウォッシュ、始めてみては?