UbuntuとopenSUSEともにカーネルにLinuxを採用していることや同じデスクトップ環境を採用していることからもどうしてもシステムが似てしまう。それはともに起動速度の向上やファイルシステムの標準がext4に変わった点、GNOME 2.28を採用していることなどからもわかる。

それでもいくつかのデスクトップアプリーケションは異なっていたり、テーマを変えるなどの差別化が図られている。たとえばGNOMEに関して、デスクトップ画面を比べてみるとどちらも使用したことがないユーザーにとっては同じデスクトップ環境とは思えないだろう。

UbuntuはGNOMEと蜜月の関係と見て取れる。デスクトップの見た目は標準の設定を踏襲しており、テーマやアイコンが若干違うだけでパネルの位置やメインメニュー、通知スペースは同じだ。また、GNOMEが正式に採用しているデスクトップアプリケーションも積極的に取り上げている。

openSUSEは、DVDイメージとして多くのアプリケーションを収録しているため、インストールの時点でGNOMEかKDEかを選べることができるようになっている。これはユーザーが自由にデスクトップ環境を選べるという点で好ましい。ただ、GNOME、KDEともにUIの変更がかなり行われており、GNOME環境にしてもKDEやWindowsに近いUIになっている。

日本語入力環境においてもこれまでIMでは多くのLinuxディストリビューションでSCIMが使われてきたが、Ubuntuは今回iBusにシフトしている。openSUSEはまだSCIMを搭載している。FedoraもすでにiBusになっていることから、日本人ユーザーは今後どちらのIMが主流になるのか注目していきたい。

日本語環境周りでいえば日本語フォントも気になるところだが、UbuntuはVLgothicフォントが使われ、openSUSEはIPAフォント(openSUSEはVLgothicなど他の日本語フォントもある)が使われている。どちらもオープンソースライセンスを採用しており、きれいなフォントを提供している。このあたりは好みが分かれるところだろう。