14日のキーノート開催にあたっては、Exadata Version 2のTPC-Cワールドレコードについてのフォローアップが行われている。詳細は初日のScott McNealy氏とEllison氏の共同キーノートを参照してほしい。
Ellison氏はキーノート開始にあたって、1つのデータを紹介している。これはHPのLinuxに関するアンケートで、世界中の顧客ユーザーにOracle DBを動作させているLinuxプラットフォームについて訪ねたところ、7割近くがOracle Enterprise Linuxを挙げたという。「餅は餅屋」なのかは知らないが、高速なDBを動かすハードウェアや基盤ソフトウェアは、やっぱりDB屋が用意するのが一番というメッセージなのかもしれない。
かつてRed Hatに宣戦布告したOracle Enterprise Linuxの話題。Oracle DBを動かしているLinuxプラットフォームを顧客ユーザーに尋ねたところ、世界中のどの地域でもOracle Enterprise Linuxが7割近いシェアをもっていたという |
フォローアップの中でEllison氏が見せたデータの1つが、データウェアハウス(DWH)におけるExadata Version 2のパフォーマンス比較図だ。フラッシュメモリをストレージではなくキャッシュとして高速動作に利用するFlash Cacheを用いた場合、他社製品に比べて5倍以上高速となるが、これを利用しない状態でも2倍近い速度差があるという。標準構成のハードウェアだけでこれだけの潜在能力があるというアピールだ。また出荷状態ですでに各種設定が終了しており、納入後すぐにでもシステム展開が可能というメリットも強調している。スピードは処理速度だけでなく、システムの展開速度にも反映されているということになる。
Larry Ellison氏が日曜日に確約したExadata Version 2に関するパフォーマンス話の続き。Flash Cacheを使うのが最も高速だが、これがない状態でも競合他社の製品より高速だという |
初代Exadataと同様に、Version 2でも標準状態でデータベースのセットアップが行われており、納入が行われてすぐに利用できる |
これら紹介がすべて終わった後、Ellison氏が壇上に呼んだスペシャルゲストは現カリフォルニア州知事のアーノルド・シュワルツェネッガー(Arnold Schwarzenegger)氏だった。シュワルツェネッガー氏はSunとOracleというカリフォルニアを代表する企業がこうした業績を達成したことに賛辞を述べるとともに、自らをスターダムに押し上げたテクノロジー産業の功績についても、(ターミネーター役のネタも絡めて)今後の中心産業としてカリフォルニアを牽引していく重要な存在だとアピールしている。今回ライバルとして後塵を拝することになったIBMは(ニューヨークを拠点とする)カリフォルニア企業ではないとジョークを飛ばしつつも、IT産業が財政危機にあるカリフォルニア、ひいては米国を救う存在になるだろうというのが同氏の意見だ。