Windows 7の一般発売が間近に迫っているが、その在庫調整期間となった2009年第3四半期に、世界のPC出荷台数はアナリストの予測を上回る好調な伸びを記録した。

米Gartnerが14日(現地時間)に発表した2009年第3四半期の世界PC市場調査(中間集計)によると、デスクトップ、ノートPC、x86サーバーを合わせた出荷台数は前年同期比0.5%増の8,090万台だった。同社は5.6%減を予想していた。

Gartnerのアナリストは、新しいOSのリリースがPC産業の拡大に結びつかない近年の傾向を指摘した上で、Windows 7発売についてもPC出荷台数増加への影響は最小限にとどまると予測している。むしろ景気回復が感じられ始めたタイミングに発売が重なったのがPC産業にとって重要であるという。PCユーザーのハードウエアの買い換えが先延ばしされてきたところに、Windows 7発売に向けた在庫調整が始まったのが第3四半期の伸びを生み出した。この影響は第4四半期にも続くと見る。

ベンダー別では、アジア/太平洋地域、特に中国で強いHewlett-Packardが1,612万台で1位。また前年同期比23.6%増を達成したAcerが2位に食い込み、同6.7%減のDellが3位に後退した。以下は2009年第3四半期の世界PC出荷台数 (出荷台数の単位は千)。

3Q09出荷台数 3Q09市場シェア 3Q08出荷台数 3Q08市場シェア 伸び率
Hewlett-Packard 16,120 19.9 14,785 18.4 9.0
Acer 12,484 15.4 10,098 12.5 23.6
Dell 10,343 12.8 11,089 13.8 -6.7
Lenovo 6,878 8.5 5,941 7.4 15.8
Toshiba 4,036 5.0 3,643 4.5 10.8
そのほか 31,003 38.3 34,914 43.4 -11.2

コンシューマ市場の好調な出荷台数をけん引しているのは低価格のモバイルPCだ。反面、価格下落がPC産業の深刻な問題になりつつあり、今や出荷台数だけではPCベンダーを評価できないという。競争を勝ち抜くベンダーを見きわめるには、売上高や利幅も含めたパフォーマンスがカギになるとしている。