本番を目指しけいこに励んでいたら、運命の人との出会いが……。そんなドラマティックな男女の出会いをつくりだそうと、千葉県市川市のNPO法人「いちかわ市民文化ネットワーク」(吉原廣代表理事)が「婚活演劇」に初挑戦する。来年3月の本番に向け、11月から始まるけいこに参加できる出演者を募集している。
市民参加型の舞台公演や文化活動サークル支援などを行っている同NPOでは2002年から隔年で出演者を公募する形で市民ミュージカルを上演。これまで4回上演されたミュージカルの舞台げいこでは、4カ月のけいこ期間中に出演者同士が親しくなり交際に発展するケースも多く、結婚に発展したカップルも4、5組あるという。
今年7月には過去の出演者が集まった会合で、20代の男性が舞台上で交際中の"演劇仲間"に突然プロポーズ。女性も「はい」と快諾し、その場にいた演劇仲間たちに拍手で祝福を受けるドラマティックなシーンもあったそうだ。同NPOで舞台監督を担当する北川妙子さんは「演劇では自分をさらけ出すことが必要。自然と人と人との付き合いもシンプルになり、意気投合しやすいのでは」と話す。
同NPOではこの演劇の持つ"力"で独身男女を応援しようと、今回初めて「婚活演劇」の上演を決定。上演作は劇作家、菊田一夫作の「がめつい奴」。昭和30年ごろの大阪の簡易宿泊所を舞台に、ガッツを持って這い上がっていく人々を描いたストーリーだ。
参加資格は16歳以上の独身者のみ。シングルマザー、シングルファザーでもOKで、子どもがいる場合は親子参加もできる。参加費はけいこ費用など1人3万円(分割可)。けいこは11月7日から毎週2回、水曜夜と土曜午後、同市八幡の公共集会施設「本八幡地域ふれあい館」などで行う。また、月に1回は打ち合わせを兼ねた懇親会も開く。公演は3月6、7の両日、市川市鬼高のメディアパーク市川で計4回を予定している。
募集定員は40人。これまでに10代から60代の男性、30代から40代の女性から応募があり、なかには神奈川県など遠方の人もいるという。同NPO事務局では「自然な形で人と人を引き合わせることができればと企画しました。演劇がまったく初めての方も基礎から指導しますので大丈夫です」と参加を呼びかけている。詳しい応募方法などはこちら。