Wi-Fi Allianceは10月14日 (米国時間)、Wi-Fi対応機器をピアツーピアで直接接続するための新仕様を発表した。同仕様に対応した機器を「Wi-Fi CERTIFIED Wi-Fi Direct」として認証するテストプログラムを2010年中頃から開始するという。
Wi-Fi Directは、これまで"Wi-Fi peer-to-peer"というコードネームで呼ばれていたDevice to Device技術仕様だ。IEEE 802.11n規格が最終承認にたどり着いたことで、Wi-Fi機器の可能性を広げるWi-Fi Directが進み始めた。
具体的にはIEEE802.11a/b/g/n技術を使ってWi-Fi対応機器同士を接続し、Wi-Fi対応の無線LANベースステーションなどを介すことなく、機器間で直接データをやり取りするソリューションになる。パソコン、携帯電話、デジカメ、プリンタなどから、キーボードやヘッドフォンなどのHID(Human Interface Device)に至るまで、あらゆるWi-Fi機器が対象になるという。1対1またはグループでの接続が可能であり、またWi-Fi Direct機器からは既存のレガシーなWi-Fi機器にも接続できる。セキュリティは、WPA2による暗号化に対応する。
ピアツーピアの機器接続というと、今日ではBluetoothが広く用いられている。Bluetoothは消費電力が少ないというメリットがある一方で、通信距離が短い。Wi-Fi Directはホームネットワーク構築に対応できるWi-Fiの広い通信距離を活かせる。またWi-Fiのアドホックに比べると、より伝送速度が高速なソリューションになる。