芸術、グルメ、ファッションなど多様な文化で世界中の旅行者を魅了して止まないフランス。国内外にフランスの観光情報を発信する「フランス政府観光局」の日本支局は、今年7月から「フランス観光開発機構」と名称を変更し、新たにプロモーション活動に力を入れる。

10月6日、組織をリニューアルし、再出発した同機構がフランス観光情報のプレス向けワークショップを開催した。今回は、このほど紹介された、2009年度下半期から2010年度にかけてのフランスにおける注目の観光トピックをピックアップする。

イベント・観光

・「ボージョレ街道」が新登場!

ワイン愛好家が毎年心待ちにし、今年も11月19日に解禁となる「ボジョレー・ヌーボー」。ボージョレとは、フランス南東部の町・リヨンの北側に位置するワインの産地として名高い地区だが、ボジョレーワインの12の醸造所を巡ることができる街道が新たに登場した。この街道は、ボジョレーより北に位置するもうひとつのワイン産地である"ブルゴーニュワイン街道"の延長線に位置し、シェーヌからリヨン近郊まで全長140キロにわたり36の村を結ぶ。

・司教都市・アルビが2010年6月にもユネスコ世界遺産に?

世界でも類のないレンガ建築群で有名なフランス南部ミディ=ピレネー地方のタルン県の町・アルビの旧市街が、世界遺産に登録申請されている。13世紀にスペイン・カタルーニャ地方の建築家・ポンスによって町の中心に建てられ、現在も当時の姿のまま保存されたサント・セシル大聖堂は、世界最大のレンガ造りの大聖堂で、壁や天井全体が2ヘクタールにわたり装飾された壁画など、一見の価値がある。

司教都市・アルビの町並み(左)と大聖堂の内部 (C) Tarn Tourist Board

・フランス最大規模の祭り・ニースのカーニバル。2010年のテーマは環境問題

ヨーロッパ三大カーニバルの1つにも数えられるニースのカーニバルの次回開催期間は2月12~28日。2010年は"青い惑星の王様"をテーマに環境問題にまつわるデコレーションやイベントが繰り広げられる。

アート・文化

・ポンピドゥーセンターの分館がメッツにオープン

国立近代美術館などを擁する、パリにある総合芸術施設・ポンピドゥーセンターの分館がフランス北東部の都市・メッツに2010年春に開館予定。フランス人建築家のジャン・ド・ガスティーヌと日本人建築家の坂茂とが設計を手がけていることも話題だ。

ポンピドゥーセンターの分館 (C) CA2M / Shigeru Ban Architects Europe avec Jean de Gastines / Heops

・オルセー美術館が『罪と罰、ゴヤからピカソ展』を開催

フランス全土から名画を集めた大規模展『罪と罰、ゴヤからピカソ展』がオルセー美術館にて、2010年3月16日~2010年6月27日まで開催。さらに、日本でも人気が高い印象派のクロード・モネの回顧展『クロード・モネ展』がパリのグラン・パレで開催される。2010年10月中旬~2011年1月中旬まで。

交通・宿泊

・「フランスレイルパス」所持者用に直前乗車可能な新商品「イージーアクセス」が登場

指定期間内のフランス国鉄(SNCF)の電車が乗り放題になる鉄道パス「フランスレイルパス」。フランスの新幹線・TGVの乗車には通常前日までに座席指定の予約が必要だが、空席のある場合に限り12ユーロの手数料で発車直前の列車を予約することができる新メニュー「イージーアクセス」が新たに登場した。

・エールフランス航空にプレミアムエコノミーが登場

2009年11月からエールフランス航空が日本-パリ路線に、ビジネスクラスとエコノミークラスの中間にあたる新クラス「Premium Voyageur(プレミアム・ボヤジャー)」を投入。エコノミーより40%広い空間で、最大123度までリクライニングが可能なシートを採用する他、オンデマンド式の機内エンターテインメント、特別アメニティ、機内食などを提供する。東京発は11月17日、大阪発は2010年2月から導入の予定。

エールフランス航空「Premium Voyageur」

・ホテルの新しい格付け制度が開始

2008年12月に発令された法令により基準が改訂されたフランスのホテル格付け制度。4ツ星デラックスを最高ランクとしていた従来の格付けから、5ツ星のランク付けに2009年10月から改められた。現時点での5ツ星に認定されているホテルは、パリのル・フーケ・バリエール、ハイヤット・リージェンシー・パリ・マドレーヌ、ル・スクエアなど。