撮像素子には、APS-Cサイズでは最高画素数となる有効1,800万画素のCMOSセンサーを搭載する。これほどの画素数が必要になる用途は限られると思うが、いまやエントリー向けの「EOS Kiss X3」でさえ有効1,510万画素なので、APS-Cサイズの最上位モデルとしては、それ以上の画素数がふさわしいのかもしれない。
実際の撮影画像をPCのディスプレイ上で見ると、遠景のディテールまでを細かく表現できているのが気持ちいい。より大型で高画素のCMOSを備えたEOS 5D Mark IIの精細感と低ノイズには及ばないものの、高画素化によって懸念される高感度ノイズは、気にならないレベルに低減されている。感度はISO100~12800に対応。感度設定をオートにすると、ISO100~3200の範囲で自動調整が働く。自動アップする最高感度の上限設定はできない。
上段左から順にISO100/200/400/800、下段左から順にISO1600/3200/6400/12800で撮影。高感度ノイズ低減は「標準」。撮影モード:マニュアル(F10) / WB:オート / ピクチャースタイル:スタンダード / レンズ:EF-S15-85mm F3.5-5.6 IS USM) / 焦点距離:73mm |
本機に限った話ではないが、これほどの高画素モデルの場合、撮像素子やエンジンだけでなく、レンズ性能によって画質が大きく変わるので、描写性能を追求する人はレンズ選びにはこだわりたい。ちなみに新発売のキットレンズ「EF-S15-85mm F3.5-5.6 IS USM」は、使いやすいズーム域をカバーし、良好な解像力を持つが、「レンズ周辺光量・自動補正」機能をオンにしても、絞り開放時の四隅の落ち込みが目立つのが惜しい。
EOS 7Dは、同社の技術を惜しみなく投入し、あらゆる撮影に適したハイスペックモデルだ。フルサイズ機EOS 5D Mark IIに比べて画質は一歩ゆずるが、それ以外のほとんどの面は上回り、写真愛好家層のニーズを十分に満たす内容を持つ。EOS-1Ds/1Dシリーズでは重すぎるし、かといってEOS 5D Mark IIではスピード面が不満、と感じる人に特におすすめしたい。