各種操作の基本部分は、これまでのEOSの中級機を踏襲する。ボディ上部のモードダイヤルでは10種類の撮影モードを選択でき、シャッターボタンの後ろにあるメイン電子ダイヤルと背面のサブ電子ダイヤルでは、絞りやシャッター速度の選択、露出補正などがスムーズに行える。

操作面で大きく変わったのは、電源スイッチの位置が背面の下部から、天面の左肩部分に移動したこと。従来機に慣れたユーザーには戸惑いもあり、賛否が分かれるかもしれない。また、シャッターボタンの横には、4機能から好きな機能を割り当て可能な「マルチファンクションボタン」を、背面には「クイック設定専用ボタン」や「ワンタッチRAW+JPEGボタン」、ライブビュー/動画用の「スタート・ストップボタン」をそれぞれ新設した。各ボタンのサイズは従来よりやや大きくなり、ボタンの形状にも改良が加えられている。

左上に移動した電源スイッチ

ライブビュー/動画撮影スイッチ

操作のカスタマイズ性は充実し、主要なボタンとダイヤルの多くは、割り当て機能の変更ができる。自分の撮影スタイルに応じ、きっちりとカスタマイズすればするほど、より直感的な操作が可能になるだろう。

ライブビュー機能は、背面ボタンのワンタッチで作動する。ライブビュー時のAFはこれまでと同じく、コントラスト検出方式による「ライブモード」と「顔優先ライブモード」、位相差検出方式による「クイックモード」の3方式に対応。AF-ONボタンだけでなく、シャッターボタンの半押しでもAFをスタートできるように変更されたのはありがたい。ライブビュー時のグリッド表示や、ミラーアップしたまま撮影できる「静音撮影モード」などは継承する。

操作ボタンのカスタマイズ画面

ライブビューの設定メニュー

動画機能は、ライブビュー/動画用の切り替えスイッチを動画側に回して動画用のライブビュー画面を表示し、スタート・ストップボタンによって録画の開始と停止ができる。記録形式は、MPEG-4圧縮のMOVで、最大で1920×1080のフルHDに対応。1280×720のHD記録やSD記録の際には、より滑らかなフレームレート60Pの選択も可能になった。

そのほかEOSシリーズで初の機能として、液晶またはファインダー上に表示可能な電子水準器や、オプション品なしで外部ストロボのワイヤレス発光を行うトランスミッター機能を搭載。測光システムは強化され、明るさに加えてAFや色の情報と連携しながら露出を決定する「iFCL測光」となった。

動画の設定メニュー

電子水準器を液晶表示した状態

白とびを抑える「高輝度側・階調優先」や、明るさとコントラストを自動で最適化する「オートライティングオプティマイザ」、画像四隅の光量低下を軽減する「レンズ周辺光量・自動補正」、発色傾向をカスタマイズする「ピクチャースタイル」などは引き続き搭載する。……つづきを読む