幕張メッセで開催された「CEATEC JAPAN 2009」会期4日目、PCメーカー幹部などが参加したパネルディスカッションが開かれた。
Windows 7で激変するコンピューティング環境
「パーソナルコンピューティングが変わる!」をテーマに、インテル 代表取締役社長の吉田和正氏、NECパーソナルプロダクツ 取締役 執行役員常務兼PC事業本部長の高塚栄氏、ソニー VAIO事業本部 副本部長の赤羽良介氏、東芝 執行役常務 PC&ネットワーク社 副社長の真田勉氏、パナソニック AVCネットワークス社システム事業グループ ITプロダクツ事業部 事業部長の奥田茂雄氏、富士通 パーソナルビジネス本部 本部長の齋藤邦彰氏、マイクロソフト 代表執行役 副社長 コンシューマー&オンライン事業部担当の堂山昌司氏の各氏がパネリストとして参加。日経BP社 日経パソコン 編集長の藤田憲治氏がモデレーターとして、各社のPC事業への取り組みと、近未来のPCの形などについて語り合った。
冒頭、藤田編集長は、「"パソコン"というと箱だけのように感じるが、人々がPCを活用して、様々な活動をすることがパーソナルコンピューティングの意味。高速、広帯域のワイヤレス通信環境が整備されたことで、パソコンは机上で使用するだけのものではなく、屋外でも存分に活用できる機器となった。また、22日にはWindows 7が登場し、コンピューティングの環境が激変する。その中で、各社は何を目指すのかを語ってほしい」と促した。
インテル
インテルの吉田和正社長は、「パーソナルコンピューティングの進化は、ライフスタイルを変えることにつながる」とし、「かつては海外からのやりとりはエアメール(手紙)しかなかったが、いまでは海外にPCを1台持っていき、ネットにつなげば、家族と連絡がつき、どんな情報も手に入る。今週海外にいても、日本に台風18号が近づいているのを知ることができた。あらゆるデバイスの中で、PCは最も技術進化と変化が早い。20年前は考えられなかったことが今起きているが、それは今日無理だと思っていることが、今後実現することでもある」などとした。
また、「インテルはムーアの法則をしっかりと実現してほしいと要請されるが、使い勝手を高めるために高性能を追求するのはもちろん、小型化、低消費電力にも力を注いでいく。これはモビリティの促進につながる。Atomプロセッサの投入によって、年間1,600万台というNetbook市場が創出された。この背景には低価格という点があるが、小さくて、持ち運びに適しているという点も見逃せないし、とにかく低消費電力のプロセッサを作ることに力を注いだ。Atomは、これからも小さくなっていく。
モバイルコンピューティングは日本が引っ張ってきた市場だが、全世界で見ればインターネットの普及率は25%であり、モバイルコンピューティングは今後も年率25%の成長が見込まれ、ますます拡大していく。インテルは、1社の技術だけでなく、ハード、ソフトの技術革新スパイラルの中で、より多くの人に使ってもらえるPCを提供する。
ワイヤレスで充電ができたり、家の機器を無線LANでコントロールしたり、パッテリーライフの進化やセキュリティの強化などの技術進化も期待される。ひとつの目標に向かってPC業界が一丸となることが一番のパワーになる。ライフスタイルを変えるのはPCにつきる」と語った。