日産自動車「エポロ(EPORO)」
昨年、ハチの行動原理による衝突回避技術を搭載したロボットカー「BR23C」を出展した日産自動車は、今年、さらに進化させた「エポロ(EPORO)」を披露している。エポロでは新たに、魚群の行動ルールを取り入れ、集団として走行環境の変化に対応することを目指している。
魚の群れは、障害物があったときも、お互いにぶつからずに泳ぎ続けることができる。同社は、将来の「ぶつからないクルマ」を実現するための研究開発を続けており、その一環としてエポロを開発した。ターゲットはあくまでもクルマに搭載する技術であり、ロボットのみを製品化する予定は今のところないそうだ。
エポロは、近くのロボットとの距離に応じて、3種類の行動パターンを取る。まず最も近いエリア1では、衝突を回避するために進行方向を変える。次のエリア2では、距離を一定に保ちながら並走。最も離れているエリア3では、接近するように動く。動作原理はシンプルだが、これで、道幅が狭くなっても、障害物があっても、衝突せずに動くことができるのだ。
センサは、前方の障害物を検出するためのレーザーレンジファインダと、ロボット間の距離を測るためのUWB(Ultra Wide Band)通信を搭載した。UWBはデータ通信のイメージが強いが、パルス信号の遅延時間から、対象物との距離を検出することもできる。エポロではこれを前方2カ所、後方1カ所に、正三角形になるよう配置しているそうだ。
同社のブースはホール3の入り口側。エポロのデモは大体1時間に1回くらいあるので、あまり待たずに見ることができるだろう。