内閣府は8日、9月の景気ウォッチャー調査の結果を発表した。3カ月前と比較した景気の現状に対する9月の判断DI(現状判断DI)は、前月比で1.4ポイント上昇し43.1だった。2カ月ぶりの改善。天候に恵まれたことや、高速道路料金引き下げが影響し、シルバーウィーク中に旅行などに出かける人が多かったことが要因。

現状判断D1が、横ばいを示す50を下回るのはこれで30カ月連続。地域別にみると前月から悪化したのは北海道、東海、四国の3地域のみでほかは上昇となっている。もっとも悪化したのは北海道で前月比4.4ポイントの悪化。上昇幅がもっとも大きかったのは中国の3.6ポイント上昇だった。

家計動向DI、企業動向関連DI、雇用関連DIともに前月から改善。家計動向DIは、前月比1.5ポイント増の41.8だった。シルバーウィークの旅行が好調だったほか、エコカー減税やエコポイント導入で一部商品の販売増が続いたことが理由。「大型連休に前年比で3倍以上の来客数があった」(中国・テーマパーク)といった判断理由があった一方で、「大型連休の時期に全館で割引を中心とした企画を実施し、その時だけ売上が好調だった。どうしても値下げ品に客のし好が流れて、低下品の販促企画に対しては反応が鈍い(中国・百貨店)といった声もあった。

企業動向関連DIも前月比0.8ポイント上昇し45.7に。販売価格の引き上げ圧力は強いものの、受注や出荷が持ち直しつつあることなどが理由。雇用関連DIは、企業の採用態度は依然慎重なものの、製造業の自動車関連など一部での求人の動きなどから、前月から2.4ポイント上昇の46.1に。昨年12月に8.5ポイントまで落ち込んで以来9カ月連続の上昇となっている。

2~3カ月先の景気についての、景気の先行き判断DIも前月比0.5ポイント上昇し44.5に。企業部門では価格競争が厳しい状況が続いていることで低下、また雇用部門でも、新卒者採用に対する懸念で小幅に低下した一方で、家計部門では、新型インフルエンザの感染拡大の影響への不安感がやや薄れつつあることや、エコポイント効果が続くことへの期待などから、飲食、サービス関連などで上昇した。

内閣府は同調査結果からみる景気の現状について、「厳しいながらも下げ止まっている」と判断。これで6月から4カ月連続で同じ判断が続いている。