財務省は8日、8月の国際収支状況(速報)を発表した。貿易収支/サービス収支/所得収支/経常移転収支の4項目から構成される「経常収支」は1兆1,712億円の黒字だった。7カ月連続の黒字となる。前年同月比では1,102億円(10.4%)の増加で、2カ月ぶりの黒字幅拡大となった。

所得収支の黒字幅は縮小したものの、貿易収支が黒字に転じたことから経常収支の黒字幅が拡大した。

貿易収支は3,037億円の黒字。輸入の減少幅が輸出の減少幅を上回ったことから、黒字幅は、対前年同月比で4,449億円拡大した。輸出は4兆2,267億円で、対前年同月比2兆4,887億円(37.1%)の減少。輸入は3兆9,230億円で、対前年同月比で2兆9,336億円(42.8%)の減少。輸出の前年同月比での縮小は11カ月連続、輸入は10カ月連続。財務省国際局の担当者は貿易収支の状況について、「輸出額の減少幅が収まってきた一方で、輸入額に関して言えば、原油価格が昨年8月との比較で半分近くに下がっている影響が大きく反映されて減少幅が拡大した。その結果として貿易収支が改善している形となっている」と話している。

また、サービス収支は1,228億円の赤字。「輸送収支」の赤字幅が拡大し、金融、特許等使用料などが含まれる「その他サービス」が黒字幅を縮小したことなどから、対前年同月比では70億円の赤字幅拡大となった。所得収支は前年同月比で3,440億円(24.5%)減の1兆606億円の黒字だった。「証券投資収益」で、受取の減少幅が支払いの減少幅を上回ったことなどが響いた。

季節調整済みの経常収支と貿易収支は前月比でそれぞれ、6.4%、15.2%の増加となっている。