米Appleがマルチタッチに関する新たな特許を申請していることが、Apple Insiderなど複数のメディアの報道で明らかになっている。キーボードやマウス、スタイラスペンなどの操作方法をすべて包含する特許は、2010年初頭の登場が噂される新しいタブレット型デバイスのヒントになるのではないかという内容だ。また在庫状況から各種新製品登場の噂が真実味を帯びてきており、年末から来年にかけて賑やかなシーズンとなりそうだ。
米カリフォルニア州ロサンゼルスのMorrison and Foerster LLP名義で米特許商標局(United States Patent and Trademark Office: USPTO)に申請された特許によれば、「指や手のひらの状況を把握し、さまざまな入力動作に対応する」方法を記したものだという。例えば従来のキーボードではマウスやスタイラス的な操作を加えようとした場合、手を離すなどの操作が加わることで、どうしても操作が一時中断し、全体の操作スピードの低下につながる現象が起きてしまう。これを解決すべくポインティングデバイスをキーボード内に組み込む試みもあるものの、キーボードの仕組みが複雑になってしまうといった弊害がある。指や手の状態を把握し、こうした操作をスムーズに行えるようにするのが申請中の特許で記された方法だ。
センサーが10本の指や手のひらの状態を把握し、「タッチ」「離す」といったインプットを認識することで、キーボード入力や手書き、マウス操作、拡大/縮小、回転といった操作を適時切り替え、1つのデバイスからさまざまな操作が行えるようになる。またこの仕組みを応用することで、各人の指のサイズにあった入力が行えるなど、エルゴノミクス的な入力装置を作ることも可能だ。これがAppleの新しいタブレット型デバイスのことを説明しているのか、あるいはMacBookやiMacで採用される新しい入力デバイスのことを指しているのかは不明だが、マウス文化をPCの世界に持ち込んだAppleが新たなユーザーインタフェースの開拓に向かっていることは興味深い。なお、これら特許には現在のマルチタッチ操作文化の礎となった米FingerworksのWayne Westerman氏が名前を連ねている。
またApple Insiderでは、製品の最新在庫状況と10月2日に米連邦通信委員会(FCC)に登録された書面から、Appleが新型マウスとキーボードの発表を間近に控えており、さらにiMacなどの製品がアップデートされる可能性が高いことを報告している。Appleが在庫管理に秀でている話は有名だが、これが理由で新製品登場時期には在庫が急に減少する現象が発生する。現在、多くのチャネルでiMacとMighty Mouseの在庫が急減している情報が報告されており、新製品が登場する可能性が高いというのだ。また欧州ではオランダを中心に新型iMac、薄型MacBook、安価で高速化されたMac miniのAdSense広告が出現しており、こうした話により高い信憑性をもたらしている。