2009年10月より放送開始となるTVアニメ『君に届け』。その先行試写会が9月26日、東京・表参道にて開催された。会場には放送を待ちきれない250人のファンが集結。当日はゲストとして、声優の能登麻美子と浪川大輔、そしてタレントの椿姫彩菜らが出席した。
まずはステージには、番組おわりの実写コーナーにナビゲーターとして出演する日本テレビの上田まりえアナウンサーと、「別冊マーガレット」にて恋愛相談コーナーを担当し、『君に届け』の大ファンでもあるという椿姫彩菜がスペシャルMCとして登場。そして、第一話の試写に先立ち、「別冊マーガレット」の益田和之編集長も壇上に上がり、「皆さんの日ごろからの温かい声援のおかげでついにアニメ化されることになりました」と、来場したファンに感謝の意を表した。
そして行われた第一話の先行試写に続いては、ステージに黒沼爽子役の能登麻美子と風早翔太役の浪川大輔が登場。役を演じる上での苦労について能登が、「こんなに真っ直ぐな子はなかなかいないと思うんですよ。なので、その真っ直ぐさと素直さをどのように声で表現すればよいかで悩みました」と語ると、浪川は「最初は一所懸命、高校生を演じようと思ったのですが、それだと"気持ち悪い"と言われまして(笑)。あれぐらい爽やかなキャラクターを爽やかに演じると、逆に"いやらしくなる"ということなので、普通に演じながらも爽やかに感じてもらえるように頑張っています。ただ普通にやっていると、風早君は草食系男子なのですが、ときどき僕の"肉の部分"が出てきてしまうので、そのあたりを抑えるのに必死です(笑)」と会場の笑いを誘った。
そのほか、アフレコ現場に1冊だけ届けられた「別冊マーガレット」の最新号を能登がさりげなく持って帰ったなどのエピソードが明かされるなど、声優陣2人のトークに会場は大盛り上がり。さらに、原作コミックスをベースとした「生アフレコ」が披露されるなど、会場に集まったファンにとってはまさに大満足のイベントとなった。
出演者が語るTVアニメ『君に届け』の魅力
イベント終了後には、浪川大輔と能登麻美子、さらに本作品において声優デビューすることが明らかにされた椿姫彩菜を囲んでの記者会見が行われたので、その様子を紹介しよう。
――まずは本日行われた試写会の感想をお願いします
椿姫彩菜「私はもともと少女マンガが大好きで、アニメも大好きで、そして『君に届け』も大好きだったので、こういった形で関わらせていただけるのは本当に夢のようで、今日は最初から最後まで夢見心地ですごく楽しかったです。これからも『君に届け』のスペシャルサポーターとして、少女マンガのよさを広めていきたいと思います」
能登麻美子「今日皆さんと一緒に第一話を観させていただいて、あらためて、最後まで全力で頑張ろうと決意しました。放送が始まったら、一人でも多くの方に観て、楽しんでいただけるように頑張っていきたいと思います」
浪川大輔「今日来てくださった皆さんの顔を見て、その期待にあふれたキラキラとした目がいい意味でのプレッシャーになったので、それに応えられるよう、オンエアはこれからですが、さらに良いものになるように努力していかないといけないなと感じました」
――ステージで「生アフレコ」を披露した感想をお願いします
能登「皆さんの前でアフレコをさせていただくのはすごく気恥ずかしく、緊張もしたのですが、アフレコ現場と同じ浪川さんの風早君の声を聞いたら、自然と言葉が出てきました。あまり、お客さんを見る余裕はなかったのですが、皆さんに楽しんでいただけていたらうれしいなと思っています」
浪川「アニメの収録自体はすでに何話か終わっていて、(能登と)一緒にやれば自然とその雰囲気に入れるという感じだったので、生アフレコの最中は、『ああ、どうしよう』といったことはなかったのですが、やる前と終わった後で、僕の肌の色も変わるのではないかと思うぐらい、無事に終わって安心しました」
――会場の雰囲気からも、やはり浪川さんへのファンの期待は大きいと思うのですが、そのあたりはいかがでしょう?
浪川「少女マンガでは、風早君にようなタイプは王道でもあり、最近ではちょっと少なくなってきたキャラクターではないかなという印象も受けていまして、そういう意味では、王道をいかに堂々と演じられるか、その期待にいかに応えるかは、正直なところ今も悩んでいます。どうすれば皆さんの思っている風早君になるかということを、いつも考えています」
――逆に爽子の場合は、いそうでいないキャラクターではないかと思うのですが、そのあたりはいかがでしょうか?
能登「やはり明るくて元気というタイプが少女マンガの主人公には多いのではないかと思うので、ちょっと暗く見える爽子は珍しいタイプではあるのですが、実際に読み進めていくと、実はすごく王道な主人公ではないかと思うんですよ。そういった意味では、最初はたしかに、ちょっと違うのかなと思うところもありますが、話が進んでいくと、そういった違和感はなくなっていくと思います」
――椿姫さんは本作で声優にもチャレンジなさるということですが、お二人の演技を見ての感想はいかがですか?
椿姫「プレッシャーはめちゃくちゃ感じましたね(笑)。演じているときはもちろんなのですが、お二人は普段からすごくお声が綺麗なので、普通に喋っている中でも、『私、大丈夫なのかな』って思うことがあります。あと、実は今日の生アフレコのシーン(※)を選んだのは私だったので、このシーンでファンの皆さんに納得していただけるのかどうかというプレッシャーもありました(笑)」
※「君に届け」4巻の121p~136p
「episode.16 恋」より、体育祭で風早と爽子が話すシーン
――それでは声優に挑戦することへの意気込みをよろしくお願いします
椿姫「少女マンガはもちろん、アニメもゲームも声優さんのことも大好きで、詳しいほうではあるのですが、まさか自分がそこに入るということは想定外でした(笑)。ただ、やるからには、ファンの方々に満足していただけるように頑張りたいと思います」
――椿姫さんは原作のころから風早君が好きだったということですが、その魅力はどういったところでしょうか?
椿姫「私も25年間生きてきましたが、実際の人でもマンガでも、こんなに爽やかな人はいないですね。25年間の中で、二次元でも三次元でもナンバーワンだと思います。風早君はカッコよくて、さりげない爽やかさがあるのですが、『俺スケベだし』みたいなことをときどき言うんですよ。そして、実は独占欲が強いんだけど隠しちゃうといったあたり、草食系なんだけど、実はちょっと"肉"な面も持っていて、しかもそれをちょい出ししてくるところが、少女マンガファンとしては堪らない魅力ですね(笑)」
――ということは、風早君は椿姫さんのタイプですか?
椿姫「比較的、今まで好きになった人はド肉食系ですね(笑)」
――ちなみに能登さんからみた風早君はいかがですか?
能登「これは好きになっちゃうなって思います。私はあまり爽やかな人に惹かれることはないのですが、今はすごく風早矢君に惹かれています(笑)」
――それでは浪川さんからみた爽子の魅力はいかがですか?
浪川「爽子ちゃんは、ポジティブな考え方をする子で、あそこまでいくとすごいなと思うぐらいなのですが、やはり根底にはそれがある明るい子なんですね。ただちょっとタイミングがわからなかったり、不器用だったりするだけであって、物語が進むにつれて、周りの友情などによって、ドンドン変わっていくんですよ。そのあたりは見ていてもとても清々しいですし、そういう意味では、ちょっとしたきっかけで人は変われる、それも元々持っているものが良いから変われるということで、爽子は、その元に持っているものが魅力的なキャラクターではないかと思います」
――最後に放送を楽しみにしているファンの方へのメッセージをお願いします
椿姫「『君に届け』は本当にすばらしい作品なのですが、それは、爽子ちゃんというちょっと個性的なキャラクターはもちろん、恋愛、それにプラス女の友情や男の友情、そして、人と人とのコミュニケーションが取りづらくなって、あまり気持ちを届けるということをしなくなっている現代社会において、忘れられていた純粋な気持ちを取り戻してくれる、心洗われるようところにあると思いますので、一人でも多くの方に観ていただきたいですね。アニメでもその爽やかでキラキラとした世界観が忠実に再現されていますので、ぜひ楽しみにしていてください」
能登「気持ちを届ける、届けたい、伝えたいといった、すごくシンプルなところが実はとても難しく、年齢を重ねていくごとに、そのあたりを意識することもだんだんと少なくなっていくのではないかと思うのですが、気持ちを届ける、伝え合う、わかりあうということが、こんなにも大事で、尊くて、素敵なものなんだということが、この作品の中には溢れています。そういったところをアニメ版の『君に届け』でも、皆さんに感じていただけたらうれしいなと思います」
浪川「原作を知っている方には、その良さを一所懸命に、それ以上のものを出せるように頑張っていきたいですし、原作を知らない方は、とにかく一度観ていただきたい作品だと思っています。少女マンガというと、小学生、中高生が中心ですが、『君に届け』は、30代、40代の女性はもちろん、男性の方にも支持されている作品で、その意味は、一回観てもらえればわかると思います。誰もが経験したようなことが本当にドラマチックに描かれていますので、じっくりと感じてみてください。『そこまでいうなら一度観てみよう』という気持ちでもいいので、ぜひよろしくお願いいたします」
――ありがとうございました
TVアニメ『君に届け』は、2009年10月6日(火)より毎週火曜日の深夜24時59分より(初回放送は25時14分より)、日本テレビ系(一部地域除く)にて放送開始予定(放送開始日、放送時間は放送局の都合により変更になる場合がある)。
■TVアニメ『君に届け』おもなスタッフ
原作 / 椎名軽穂「君に届け」(「別冊マーガレット」連載)◆シリーズ構成 / 金春智子◆キャラクターデザイン・総作画監督 / 柴田由香◆美術監督 / 竹田悠介◆色彩設計 / 広瀬いづみ◆撮影監督 / 田中宏侍◆3DCGI / 佐藤敦◆小物設定 / 佐藤仁実◆美術設定 / 成田偉保、加藤朋則、加藤浩◆特殊効果 / 村上正博◆編集 / 今井大介◆音響監督 / 山田知明◆音楽 / S.E.N.S. Project◆助監督 / 長沼範裕◆監督 / 鏑木ひろ◆アニメーション制作 / プロダクション I.G◆主題歌エンディングテーマ / Chara「片想い」◆オープニングテーマ / タニザワトモフミ「きみにとどけ」◆製作著作 / 日本テレビ/D.N.ドリームパートナーズ、バップ、集英社、プロダクション I.G
■TVアニメ『君に届け』おもなキャスト
黒沼爽子 / 能登麻美子◆風早翔太 / 浪川大輔◆矢野あやね / 沢城みゆき◆吉田千鶴 / 三瓶由布子◆真田龍 / 中村悠一◆胡桃沢梅 / 平野綾
(C)椎名軽穂・集英社/「君に届け」製作委員会 |