パイオニアは1日、「HDD楽ナビ」シリーズの新モデル4機種と、メモリータイプの「楽ナビ Lite」2機種を発表した。
楽ナビシリーズの新モデルは、「AVIC-HRZ099」「AVIC-HRZ088」「AVIC-HRV022」「AVIC-HRV011」の後継モデルとなる、7V型ディスプレイを採用するHDDナビ(AVIC-HRZ900/800はWVGAで他の2モデルはWQVGA)。AVIC-HRZ900とAVIC-HRV200がフルセグチューナーを搭載し(4アンテナ×4チューナー対応)、AVIC-HRZ800がワンセグモデル、AVIC-HRV100がチューナーレスモデルとなっており、本体は、AVIC-HRZ900/800が2 DINサイズで他が1DINサイズと、ラインナップの構成自体は、昨年モデルと同様だ。
新モデルの大きな特徴となっているのが、スマートループ対応の強化。スマートループは、3つの面を持つシステムで、1つはリアルタイムの渋滞情報伝達、もう1つはナビ内に蓄積された走行情報による渋滞予測、そして最後が、ドライブ情報サイトなどとリンクしたスポット情報だ。スマートループは、同じ、渋滞情報などをリアルタイムに伝達するシステムのVICSと比較すると、圧倒的にカバーしている道路の範囲が広いというのが特徴。VICSでは、道路の特定の箇所に設置されたセンサーからのデータをもとした渋滞情報を伝達するのに対して、スマートループでは、スマートループに対応した1台ごとの車を、情報を集めるセンサーとしての役割も果たす1つのプローブとして扱っている。車からの情報は、通信モジュール、あるいは携帯電話によって行われる(つまり、携帯電話網が利用される)ために、カバー範囲は、そのまま携帯電話網のカバー範囲ということになる。このサービスは、同社だけでなく、本田技研工業の「インターナビフローティングカーデータ」とも連動しており、より正確な渋滞情報の提供を実現している。
また、リアルタイムの情報伝達だけでなく、ナビ内に蓄積された走行状況などの情報もアップロードすることが可能で、そうすることにより、さらに精度の高い渋滞予測システムが構築されていく。
新モデルのAVIC-HRZ900では、このスマートループのスマートループ渋滞情報を、従来の全国約33万kmから約70万kmに拡大。極細な道(幅5.5m以下)を除く全国のほとんど全ての道路をカバーした(従来でも、地域的にはカバーされていたのだが、33万kmに含まれていない場所の情報は、カットされていた)。この約70万kmというエリアは、同社のナビの最上位機種である「サイバーナビ」と同レベル。これにより、目的地への最短ルートや最少時間ルートなどがきめ細かく検索されることになり、従来よりも、少ない燃料で目的地にたどり着くことも可能になる。もちろん排出するCO2の量も減らすことが可能だ。
また、AVIC-HRZ800/HRV200/100の3モデルも、携帯電話の通信機能を利用するリアルタイムプローブに対応。これにより、スマートループ渋滞予測が可能になっている。
楽ナビLiteは、「AVIC-MRZ88」の後継となる、2DINサイズのメモリーナビ。搭載しているディスプレイは、AVIC-MRZ90が7V型(WVGA)でAVIC-MRZ80が5.8V型(WVGA)。いずれもワンセグチューナーを搭載する。こちらの2機種も、手軽に使えるナビながら、スマートループ渋滞情報に対応している。
なお、楽ナビシリーズは、2回分(2010年/2011年度)の地図バージョンアップ付き。また、楽マビLiteのAVIC-MRZ90には2012年3月まで地図などの情報を最新に更新できる「マップチャージ」が利用可能だ。
シリーズ名 | 型番 | 発売時期 | メーカー希望小売り価格 |
HDD楽ナビ | AVIC-HRZ900 | 10月中旬 | 26万2500円 |
AVIC-HRZ800 | 10月中旬 | 21万円 | |
AVIC-HRV200 | 10月下旬 | 26万2500円 | |
AVIC-HRV100 | 10月下旬 | 18万9000円 | |
楽ナビLite | AVIC-MRZ90 | 10月中旬 | 15万2500円 |
AVIC-MRZ80 | 11月中旬 | オープン(推定小売価格10万円前後) |