経済産業省は30日、8月の鉱工業指数(速報)を発表した。鉱工業生産指数(05年=100)は84.1で、前月より1.8%上昇した。前月を上回るのは6カ月連続で、経産省は基調判断を前月と同じ「持ち直しの動きで推移している」に据え置いた。

前年同月比では依然としてマイナス18.7%と低い水準ではあるが、前年比で過去最大の落ち込み幅となった2月のマイナス38.4%から改善してきている。上昇への寄与度が高かったのは業種別では、鉄鋼業、輸送機械工業、電子部品・デバイス工業など、品目別では、携帯電話、半導体製造装置、小型乗用車。

出荷指数は前月比プラス1.0%の84.5(前年同月比は18.6%低下)で、こちらも6カ月連続の上昇に。鉄鋼業、一般機械工業、石油・石炭製品工業などが上昇に寄与した。一方、生産された製品が出荷されずに生産者の段階に残っている在庫の動きを示す在庫指数は、前月と同じ水準の95.0。在庫指数の上昇に寄与した業種は電子部品・デバイス工業、電気機械工業、輸送機械工業など、低下に寄与した業種は、一般機械工業、石油・石炭製品工業、精密機械工業など。在庫率は前月比マイナス0.8%(前年同月比は11.4%上昇)で、3カ月連続の低下。指数は122.6だった。

同時に発表した製造工業生産予測調査では、9月は前月比1.1%の上昇、10月は同2.2%上昇を予想している。

※注 : 生産指数、出荷指数、在庫指数、在庫率ともに季節調整済みの数値