海外端末メーカーとして唯一P&T/Wireless & Networks Comm China 2009に出展していたSamsung。同社ブースには中国の全3G方式に対応した最新製品が展示されていた。なお同社の端末は、ほぼ全てがフルタッチ端末となっていた。
3方式全てに対応する3G端末を展示
Samsungブースのキャッチコピーは「3G for all」。中国で展開中のTD-SCDMA、W-CDMA、EV-DO全ての3G方式に対応する端末が展示されていた。端末は、通信方式ごとに展示されており、それぞれ異なるデザインのものが用意されていた。同じ端末をベースにしたものは、通信方式ごとに外装の仕上げを変えるなどの工夫が施されていた。
W-CDMA方式対応端末は、海外で発売中のモデルを中国向けにしたものが目立った。ベーシックなフルタッチ端末として海外で人気のF480の中国向けモデル「S7520U」や、最新のAndroid端末「Samsung Galaxy」の中国語対応版もさっそく展示されていた。W-CDMAモデルは海外バージョンを言語ローカライズして投入しているようだ。
CDMA2000 EV-DO対応端末は中国電信のサービスメニューがあらかじめ組み込まれており、事業者対応を売りにしている。ボディーカラーやデザインを変更することで、同型の端末を同じものに見せない工夫が所々に見えているのは面白い。
このほか、GSMとCDMA対応のデュアルモード端末も複数展示されていた。これは、中国電信がCDMAを提供していた中国聯通時代からのモデルで、ビジネス層を中心に人気が高い。そのため金属素材をボディーに採用するなど高級感ある仕上げになっている。
現在中国電信は、小霊通(PHS)利用者の携帯電話サービスへの移行を促しているが、それに対応するエントリーモデルも展示するなどCDMAに関してはあらゆるモデルが展示されていた。
TD-SCDMA端末は、中国メーカーに負けじと最新技術に対応した端末を展示。中国のモバイルTV規格「CMMB」対応機や3.5GとなるTD-HSDPA対応端末などを展示した。同社なら中国の全通信事業者、全通信方式に対応できるという、フットワークの軽さと技術力の高さを大きくアピールしていたようだ。
タッチ、タッチ、タッチ---右も左もフルタッチ端末ばかり
最新製品や特徴的のある製品などは、別途特設ブースが設けられていた。目立っていたのは「Touch」の文字、すなわちフルタッチ端末だ。3G端末の展示もほとんどがフルタッチ端末だったが、同社ブースでは10キーを搭載した従来型の端末を見つけるのが難しいくらいであった。
カラフルなPOPなどを使い展示されていた通称「Corby」は、学生向けとなる小型のフルタッチ端末。本展示会に合わせて発売開始となった。ボディーカラーは4色あるが、着せ替えすることが可能。CDMA対応の「S3650C」とGSM対応の「F339」の2モデル用意されている。
QVGAディスプレイや2メガカメラなど機能はベーシックだが、UIデザインや待ち受け画面などは、学生を意識したかわいらしいものになっている。Corbyはハイエンド端末だけではなくエントリー層にもフルタッチを提供することにより、同社の進める端末のフルタッチ化を消費者にも広く推し進める秘密兵器とも言えそうである。