中国でも人気のフルタッチ端末。3G対応電子ブックリーダーなど最新端末も
P&T/Wireless & Networks Comm China 2009では中国メーカーの最新端末を多数見かけた。目立っていたのは大型のタッチパネルディスプレイを搭載したフルタッチ端末だ。3G内蔵電子ブックリーダーなど中国ならではの製品も来訪者の目を引いていた。
各社の目玉はフルタッチ端末
中国ではここ数年、スタイラスペンで手書き文字入力のできるタッチパネル搭載端末に人気が集まっている。iPhoneのヒット以降は、指先でのタッチ操作が可能なフルタッチUIへと進化が進んでいる。中国移動のOPhoneだけではなく、会場では端末メーカーのどのブースでもフルタッチ端末の展示が目立っていた。
ハイエンドのスマートフォン系端末を多数発売しているCoolpadはフルタッチ端末をずらりと展示していた。同社ブースには数字キーを搭載した端末はひとつもなく、大手メーカーに先んじて製品の「完全フルタッチ化」が完了している。
端末のカテゴリを「Net-living」「Elegance」「Society」「Deepness」と4つに分けて展示するほど製品の数も多い。
同社端末のOSはWindows CE 6.0やJavaベースの独自OSを採用している。これまでは、ビジネス層向けの端末に特化していたが、コンパクトな女性向けや若者向けの新製品も発表するなど、ラインナップもターゲット層をより広いものへと拡大している。また通信方式はTD-SCDMAとCDMA2000 EV-DO対応製品が多く、海外メーカーが強いW-CDMA方式とは競合を避けている。
OSにWindows CE6.0、500万画素カメラやGPSを搭載したハイエンドEV-DO端末「N900」 |
W-Fi搭載のEV-DO端末「N810」。OSはN900同様CE 6.0。同社はこのタッチUIをCoolTouchと呼んでいる |
他メーカーブースでもフルタッチ端末が目立っていた。中国版PHSである「小霊通」に強いUTStarcomは端末の高機能化を進めており、上位モデルとしてフルタッチ端末を展示。エントリーモデルを得意としていた同社も他社に対抗するには、3G対応化とフルタッチ化が避けられない状況のようだ。
また、新規参入するメーカーの新製品もフルタッチ端末が多かった。中国では海外のトレンドに合わせるかのように端末のフルタッチ化が着々と進んでいるようである。
UTStarcomの端末展示コーナー。PHSは無くなりTD-SCDMAとEV-DOのハイエンド端末が並ぶ |
TD-SCDMA/GSMデュアル対応の「S68」。Windows CE 5.0を採用、フルブラウザやオフィス文書表示に対応 |
ZTEの「R630」はメタリックなボディーが目を引く。下部は音楽再生キー専用のタッチパネル |
EV-DO端末で市場参入を開始する同洲のブース。最初の製品からフルタッチ端末である。なお展示はモックアップのみ |
3G対応電子ブックリーダーも
また電子ブックリーダーに3Gモデムを搭載した製品も複数展示されていた。TD-SCDMAに対応し、同方式を採用する中国移動は今後電子ブックの配本にも乗り出す予定であるという。中国では携帯電話で小説を読む利用者も年々増えており、「ケータイ小説特化端末」として3G電子ブックリーダーを売り込む考えのようだ。
大唐電信が展示していた「AirPaper50T」は、800×600ピクセルのディスプレイ、128MBのメモリを搭載した端末。ディスプレイの文字サイズは複数段階で切り替え可能。加えて、外部メモリとしてマイクロSDカードスロットに対応するほか、3.5mmヘッドフォンジャックを備え音楽プレイヤーとしても利用できるという。
メインディスプレイは電子ペーパーのためタッチ操作は利用できないが、ディスプレイ下部に設置されたタッチ操作対応のモノクロ液晶サブディスプレイを利用すれば文字入力やメニュー操作が行える。バッテリーは1回の充電で2万ページの電子ブック閲覧が可能、TD-SCDMAの待ち受け時間は10日間とのこと。
また電子ブックリーダー大手のHanvonブースには発売中の製品に加え、TD-SCDMA搭載の新製品を展示していた。年内発売予定で、既存の電子ブック製品同様、辞書などのコンテンツをあらかじめ多数内蔵しての販売となるそうだ。