バイドゥは28日、同社が提供するPC向け検索サービス「Baidu.jp」の携帯版『Baidu モバイル(β版)』の提供を開始したと発表した。

バイドゥは、中国の検索サービス市場で大きなシェアを持つ「百度(Baidu.com)」を運営する百度の日本法人。2008年1月から、日本語でのPC向け検索サービス「Baidu.jp」の提供を開始した。今回、同社では、Baidu.jpの携帯版「Baidu モバイル(β版)」の提供を開始した。

同社では、Baidu モバイルの提供にあたり、同社の理念である「ローカルプロデュース・ローカルユース(地産・地使用)」を掲げ、「日本のモバイルWebに根付いているとてもユニークな文化」として、「絵文字」に対応することにした。具体的には、携帯キャリアで提供する絵文字をキーワードとした検索ができるようにしたり、絵文字に対応したテキストを検索ワードとして検索した場合には、検索結果にその絵文字が含まれるサイトが表示されるようにしたりしている。

『Baidu モバイル(β版)』では絵文字による検索が可能

絵文字を含む検索結果が表示されている

また、検索サービスは、「モバイルWeb検索」「PCWeb検索」「画像検索」「動画検索」の4つで構成。これらを特に指定しないで検索した場合は、これらを横断した検索結果が表示される。横断検索をした場合は、モバイルWeb、PCWeb、画像の順で検索結果が表示されることが多いが、例えば、芸能人の名前、観光施設などで検索した場合は、PCでの検索が多い画像などが、検索結果の最上位に表示されるようになっている。

「Baidu モバイル(β版)」では、「モバイルWeb検索」「PCWeb検索」「画像検索」「動画検索」の4つで構成。これらを特に指定しないで検索した場合は、これらを横断した検索結果が表示される

PCWeb検索では、モバイルサイトを持っていないサイトなどPCでしか調べられないページが検索可能。画像検索では、モバイル用に画像をリサイジングするなど、「インタフェースにこだわった」(バイドゥ)表示画面となっている。PC向けにおいて好評だという動画検索に関しては、モバイルで再生可能な動画のみを表示し、「現時点で網羅性・相関性でトップクオリティの動画検索を実現した」(同社)としている。

開発に当たっては、「想像以上にPC向けとの違いがあった」とし、携帯サイトには外部リンクが少なくリンクに偏りがあったことや、携帯サイト・PCサイトの区別、スパムページなど、さまざまな課題をクリアしながら、「ようやくスタートラインに立てた」としている。

バイドゥ代表取締役社長の井上俊一氏

28日に東京都港区の六本木ヒルズで行われた記者会見では、同社代表取締役社長の井上俊一氏が、現在の日本のモバイル検索市場について、「日本ではモバイルに大きなポテンシャルがある。パケット通信の定額料金も低価格化し、これからは一般サイトの重要性が増してくる」との認識を示した。

その上で、「モバイル検索のニーズが高まっているが、現状(のモバイル検索)はまだそれほどクオリティが高くなく、本格的なサービス展開はこれからではないか。当社は最後発だが、まだ間に合う」と話し、今後の展開に自信を示した。広告についても、「モバイルでも広告需要はあり、まずはブランド認知度を高めていきたい」と話した。

また、井上氏は、モバイル検索サービスをOEM(相手先ブランドによる提供)供給することも考えられると話した。さらに、「コンテンツがリッチになるにつれ、(これに対応した)検索サービスを大規模に開発できる会社は限られてくる。当社のサービスはまだ認知度は低いかもしれないが、ここ1~2年で検索市場におけるプレゼンスは高まっていくはず」と強調し、技術力・資金力を裏づけとした同社サービスの今後の展開に自信を示していた。 Baidu モバイル(β版)のURLとQRコードは以下の通りとなっている。

http://m.baidu.jp/