ソニーは28日、リニアPCMレコーダー「PCM-M10」を発表した。価格はオープンで、市場価格は、3万円前後と予想される。

リニアPCMレコーダー「PCM-M10」カラーはブラックとレッド

ソニースタイル限定モデル「PCM-M10/W」(ホワイト)

PCM-M10は、音楽CDの量子化ビット数16bit/サンプリング周波数44.1kHzを上回る、量子化ビット数24bit/サンプリング周波数96kHzでのリニアPCM録音が可能なレコーダー。同社では、PCM-D1/D50といったリニアPCMレコーダーをリリースしているが、今回発表されたPCM-M10は、リニアPCMレコーダーのエントリーモデルという位置づけの製品。PCM-D1/50では、野外での生録もターゲットとした製品となっていたが、本機は、手軽に高音質の音楽録音を行うというのがメインの用途となっている。マイクも、PCM-D1/50の高指向性タイプではなく、全指向性のステレオマイクが採用されている。また、PCM-D1/50には搭載されていなかったオートモードでの録音が可能になっており、録音の設定に神経を使うことなく演奏に集中できる(もちろん、マニュアルモードでの録音も可能)。音質は、低域を重視したものとなっており、とくに、演奏のサラウンド感をうまく表現できるように設計しているとのことで、音楽録音のクォリティに関しては、上位モデルのPCM-D1/D50を上回るケースもあるとのことだ。

本体の左側面

本体の右側面

メモリは、4GBが内蔵されているが、そのほかにメモリースティック・マイクロとmicroSD/microSDCHに対応。内蔵メモリとメモリーカードは併用が可能で、メモリーカードに録音中に、容量が不足した場合(その逆の場合も可)、自動的に内部メモリーに切り替わる「クロスメモリー録音」機能も搭載されている。リニアPCM(WAVフォーマット)でのクロスメモリー録音では、録音されるメディアが切り替わる際にファイルが分割されるが、基本的には音がとぎれずに後からPC上で結合できるとのことだ(ファイルシステムの制約から、1ファイルあたりの最大ファイルサイズは2GBとなっている。それを越えた場合、ファイルは分割されるが、そのタイミングでクロスメモリー録音機能が働くと、音がとぎれる可能性もないわけではないとのことだが、レアなケースだろう)。

本体サイズは、幅62.0mm×高さ114.0mm×奥行き21.8mmとPCM-D50の幅72mm×高さ154.5mm×奥行き32.7mmに比べて、体積比で約60%、小型化。質量は、電池込約187g。電源は単3電池×2で、Ni-MHも利用可能。アルカリ電池を使用した場合には、最長、約46時間の連続録音が可能となっている。そのほか、タッチノイズを気にすることなく録音可能なリモコンを搭載。サウンド編集ソフト「Sound Forge Audio Studio LE」が付属する。

また、同時発表されたオプションのキャリングケーススピーカー「CKS-M10」は、キャリングケースにスピーカーを組み込んだもの。ウォークマンSシリーズのように、PCM-M10をセットした状態での再生が可能だ。PCM-M10本体にもスピーカーは内蔵されているが、こちらは録音できているのかどうかを確認するためのもの。複数の人間で演奏している場合には、CKS-M10が便利だろう。CKS-M10は、11月21日発売で、価格はオープン。市場価格は、8,000円前後。野外での録音時に、低周波数の風切音を低減するウインドスクリーン「AD-PCM2」も同時発表されている。10月21日発売で価格はオープン。市場価格は5,000円前後と予想される。

キャリングケーススピーカーの「CKS-M10」

ウインドスクリーン「AD-PCM2」