「ジャパンロボットフェスティバル2009 in TOYAMA」の概要

さて、相澤ロボットに会える「ジャパンロボットフェスティバル2009 in TOYAMA」だが、もちろんそれだけでなく最新のロボット事情が分かる、見どころいっぱいのイベントとなっている。その概要を紹介しておこう。

まず、会場は以下5つの展示ゾーンで構成されている。相澤ロボットが展示されるのが「ロボットクロニクルゾーン」。こちらのゾーンでは、4"人"の相澤ロボットの展示コーナーの他に、2006年に創設された「今年のロボット」大賞のコーナーも設置。過去3年間の優秀賞受賞ロボットをパネルと映像で展示すると言う。

2つ目の「富山の技術・地域の技術ゾーン」では、ウェディングドレス姿も話題を呼んだ産業技術総合研究所(産総研)の女性型ヒューマノイド「HRP-4C」、村田製作所の「ムラタセイコちゃん」などの人気のロボットをはじめ、富山県ゆかりの企業や研究者が開発したロボットが登場。ロボット関連企業・学校の紹介ブースも設けられる。

3つ目の「ライフスタイルゾーン」では、三菱重工の「wakamaru(ワカマル)」や、ALSOKの警備ロボット「リボーグ Q」をはじめ、富山県にこだわらずに実用化または実用化間近のロボットが集合。キャラバン隊長も務めた「MANOI」や、タカラトミーの「i-SOBOT」などホビーロボットも勢ぞろいし、物販コーナーも設けられる。

本フェスティバルのロボット応援隊長を務める「MANOI PF-01」

4つ目の「カンファレンス・セミナーゾーン」では、本フェスティバルの目玉とも言うべき豪華メンバーによるセミナーが開催される。

26日(土)15:30~17:00の「ロボットデザイン考現学2」は、2005年開催時に続くテーマで、ロボットに関する著作も多い作家の瀬名秀明氏がコーディネータとなり、アニメ「マクロス」シリーズのメカデザイナーで富山県出身の河森正治氏、「ロボットスーツ HAL」を開発したサイバーダインCEOで筑波大学大学院教授の山海嘉之氏、千葉工業大学fuRo(未来ロボット技術研究センター)所長の古田貴之氏という、そうそうたるメンバーが集結。"デザイン"をキーワードにロボット開発の最前線を語る。

また、27日(日)15:00~16:30の「ロボットクリエーター対談」では、2人の「ギネス世界記録」掲載ロボットの開発者が登場。パナソニックの乾電池ロボット「エボルタ」で2つの世界記録を打ち立てたロボットクリエイター・高橋智隆氏と、世界一の癒し系アザラシロボット「パロ」を開発したJRF総合プロデューサー・柴田崇徳氏が、ロボット開発の"今"を語る。

ロボットクリエイター高橋智隆氏とロボットたち(写真は2009年7月に開催されたパナソニックセンター東京でのトークショーにて撮影されたもの)

26日(土)13:00~15:00には「ロボットビジネスフォーラム」も開催。富山県出身の2人のロボット研究者、名古屋大学大学院 工学研究科の福田敏男教授と東京大学 情報理工学系研究科の稲葉雅幸教授が、今後のロボットニーズや開発のあり方について会場の参加者と討論を交わすと言う。

また、こちらのゾーンでは、カンファレンス参加者の手がけたロボットも展示。さらに特別展示として河森正治氏がデザインした日産「デュアリス」パワードスーツの実物大モデルや、河森氏のデザイン原画も展示される。

最後が「未来へのチャレンジゾーン」だ。こちらのゾーンでは、小型2足歩行ロボットによる格闘大会「第16回ROBO-ONE in 富山」が開催。26日に予選デモンストレーション、27日に決勝トーナメントと宇宙大会選抜競技が行われる。小型と言え参加ロボットの大型化が進む中、今回は満を持しての重量無差別級の頂上決戦とあって要注目の大会だ。

また、「WRO/子どもロボットプログラミング競技会」も2日間に渡り開催。26日にはロボット展示と体験教室、27日にはエキシビジョンマッチが行われる。個人的には、先日取材した「ETロボコン」とリンクする「教育用レゴ マインドストーム」を用いた大会の交流会ということで、こちらも興味深い。

以上、ロボットファンにとっては非常に期待の高まる内容と言えるだろう。富山までお近くの方は(遠くても?)ぜひ足を運んでみて欲しい。

開催時間は9:00~17:00。入場料は、大人当日1,200円、小人(小・中・高)当日600円で未就学児童は無料。会場の富山産業展示館(テクノホール)へのアクセスは、北陸自動車道 富山インターチェンジより車で5分、富山空港より徒歩10分、JR富山駅より車で15分、バスで25分。

なお、企画運営のチューリップテレビによるニコニコ動画の「チューリップテレビちゃんねる」では、本イベント会場から2日間、チャンネル生放送も行われる予定だとか。こちらでは出展ロボットを紹介したロボフェス公式ガイド「ロボ☆ラボ」の動画も公開されている。

会場の展示の様子や、セミナーの様子などについては、追ってまたレポートを届けしたいと考えている。どうぞお楽しみに。