ARE YOU READY? Yeah!

24日、MicrosoftがWindows 7販売施策に関する記者発表が開催されたのは既報の通り。関心のひとつに、一世帯内においてひとつのパッケージで3台までWindows7をインストールすることができる「Windows 7 Home Premium アップグレード版 ファミリーパック」の存在がある。今や複数台数のパソコンを所有することが日常となりつつある。そういったユーザーの多さに比例して実現した施策だと言っても過言ではないだろう。自宅のデスクトップ、仕事で持ち歩くネットブック、子供のためのパソコンと、様々なケースでのパソコン利用が考えられる今、必然と言えるMicrosoftの対応には素直に賛辞を送りたい。しかし、現時点では数量限定ということが発表されている。

ARE YOU READY ?

慌てて予約を行う前にもう一度Windows 7のおさらいを

さて、注目すべきポイントは他にもある。それは、日本のみで実施される優待パッケージの存在だ。コンシューマー&オンラインマーケティング統括本部コンシューマーWindows本部本部長の藤本恭史氏の言葉によれば、今回銘打たれた"999(サンキュー)"パッケージがWindows 7 発売前最後の施策になるという。

販売施策について語るマイクロソフト代表執行役副社長堂山昌司氏。Windows 7発売前の特別な施策は、今回発表のあったもの以外にはないと断言。更なるサプライズは、発売後に期待したいところだ

9月25日から予約がスタートしたワケだが、ユーザー自身には「数量限定なんでしょ? じゃあ急いで予約しなきゃ!」と慌てる前に今一度"本当に自分に必要なWindows7はどのエディションなのか?"を考えてもらいたい。また、ハードウェアへの負担を軽減しネットブックでの利用も十二分に可能とされているWindows 7だが、やはり快適に利用するにはそれなりのハードスペックが要求されるのも事実。そこでWindows 7購入を検討しているユーザーにチェックしてもらいたいのが「Windows7にようこそ」と冠されたMicrosoftのWebサイトだ。

このサイト上でもう一度、Windows 7が実現する機能を確認しておこう

Windows 7にどのような機能が備わっているのか、それら機能がどのエディションで利用することができるのかが整理されているので一読されたし

エディションごとに、できること、できないことが明確に示されている。Windows 7 Starterに関しては比較表には掲載されていないが上部のタブをクリックすることで機能概要が確認できる

何を今更、そう思う気持ちは痛いほどよく判るが、Windows 7の各エディションによってどんな機能やエクスペリエンスが盛り込まれているのか熟知している人は少ないのではないだろうか。新たな入力デバイスとして注目を集めている「Windows Touch」も、今後新製品として登場するパソコンにプリインストールされたWindows7 Starterでは利用することができない。

加えて正しいハードウェア環境が整っていなければいけない。このように、エディションごとの機能の違いを把握しておくことが必要だろう。詳細なエディションごとの機能比較は「Windows 7にようこそ」に譲るが、簡単に各エディションの特徴を纏めるとこうなる。

Windows 7 Starter

シンプルで簡単に利用できるエディション。操作性を向上させる「ジャンプリスト」や強化されたファイル検索機能「Windowsサーチ」、ホーム ネットワークのセットアップや、プリンターやデバイスの接続の簡便化が図られている。エアロなどの機能は実装されておらず、言うなれば"必要最低限の機能が凝縮"されたエディションだ。

Windows 7 Home Premium

音楽や写真、動画といったデジタル・エンターテインメントを味わい尽くすのに最適なエディション。「Windows Media Center」は、デジタルおよび HD を含めた、より広範な TV 規格と TV チューナーをサポートし、プリンターなどの周辺機器はもちろん、テレビやXboxといったデジタル家電と繋がることによって多様なエクスペリエンスを与えてくれる"エンターテインメント性が高い"エディションだ。

Windows 7 Professional

デジタル・エンターテインメント性能はそのままに、ビジネスシーンで必須となるセキュリティ性能にも優れたエディション。「ドメイン参加」では、会社のネットワークに簡単に、より安全に接続することが可能。加えて、仮想化技術を利用した「Windows XP モード」の実装により、ビジネスソフトウェア資産を失うことなく柔軟なオペレーションシステム活用が可能となった"過去の財産をフル活用"できるエディションだ。

Windows 7 Ultimate

あらゆるニーズに応える最上位のエディション。エンターテインメント性能、ビジネスシーンでの活用はもちろん、強固なセキュリティ機能「BitLocker」の実装や更なる柔軟性を確保する35言語の切り替えが可能。"IT技術者、あらゆる事態に対応可能"な最上位に相応しいエディションだ。

海外の動向もチェックしてみては?

OSのアップグレードに伴って、今自分が使用している環境が崩されないか?という疑問は必ずと言って良いほど発生する。その疑問に回答するべくMicrosoftが用意したのが「Windows 7対応製品情報」だ。9月24日現在でソフトウェアに関しては1,507 製品 (149社)、周辺機器に関しては3,386 製品 (44社)からの情報が一手に集められている。

Windows 7に対応した製品を確認できる「Windows 7対応製品情報」

また、10月15日に公開予定とされている「Windows 7 Upgrade Adviser(10月15日公開予定)」では、ユーザーが使用中のハードウェアやソフトウェア、接続された周辺機器をスキャンしてWindows 7へアップグレードする際に発生する問題点や推奨される問題解決方法を判りやすいカタチでレポーティングしてくれるという。このように、移管作業における不安解消を積極的に行う姿勢は評価に値すると同時に、MicrosoftがWindows 7に掛ける意気込みを感じさせてくれる。

また、更なるWindows 7に関する情報を求める向きには本国アメリカのWebサイトで用意されている「Welcome to Windows 7」で一足お先に「Tour」で"Windows 7で実現する新しいホームネットワーク"のカタチを体感してみるのもいいだろう。日本でも10月下旬に公開予定されている「Microsoft Answers」、「Windows 7フォーラム」も米国では既に公開されている(注:Windows Vista Forum内にGetting Ready for Windows 7として)。当然すべて英語表記だが、活発に意見交換、質問や疑問の提起、それらに対する回答をユーザー同士はもちろん、Microsoftのエンジニアたちによる技術情報の投稿も行われている。

米国のサイトではWindows 7の機能やエクスペリエンスを実感できるツアーが用意されている

「Getting Ready for Windows 7」と題され活発に意見交換がなされている。ユーザー同士はもちろん、Microsoftの技術者ともコミュニケーションが図れる場となっている

Windows 7全世界同時発売まで1カ月を切った今、真剣に導入を考えているのであれば今一度"Windows 7がもたらしてくれるエクスペリエンス"を再確認して自分に最適なエディションを見付けてから優待パッケージの予約を行っても遅くないのでは?