10月24日から公開される映画『沈まぬ太陽』の完成披露試写会と舞台挨拶が17日、東京・丸の内で行われ、主演の渡辺謙がロサンゼルスから生中継で登場したほか、三浦友和、松雪泰子、鈴木京香、石坂浩二らが出席した。

ロサンゼルスからの生中継で渡辺謙が写った巨大スクリーンをバックに、左から若松節朗監督、鈴木京香、三浦友和、松雪泰子、石坂浩二

『白い巨塔』、『華麗なる一族』といった代表作がある山崎豊子の作品群の中で映像化されていなかった最高傑作『沈まぬ太陽』を、原作発刊から10年の時を経てようやく映像化された。昭和30年代から60年代の日本高度成長期にかけて、航空会社勤務する恩地元(渡辺謙)の波乱に満ちた半生を描く。

(C)2009「沈まぬ太陽」製作委員会

現在、レオナルド・ディカプリオとの共演作『インセプション』の撮影でロサンゼルスにいる渡辺だが、ロサンゼルスから中継をつないで巨大な画面を通して舞台挨拶。「会場の皆さん、共演者の皆さん、本当にご免なさい!」と詫びながらも「ケニアのサバンナに立つことができ、恩地という役を作る上でインパクトがありました。この映画が明日への希望の微かな光になるようであれば、ありがたいと思います」とPR。三浦友和演じる行天四郎の愛人で恩地元をも尊敬する客室乗務員の三井美樹を演じた松雪泰子は「謙さんも友和さんも時間を追うごとに濃密になっていきました。そんなお二人に何を投げ掛けられるのだろうかと思いながら現場にいました」と話していた。

「私が演じた行天四郎役は、渡辺謙さんの敵役。苛めに苛め抜き、恩地はアフリカへの僻地へ行ってしまいます。そしたらいつも間にか謙さんがロスに居て(笑)」と会場を笑わせた三浦

「昨日作品を見ましたが、(3時間23分という)長さを感じませんでしたよ。とにかく恩地元という太陽のような男性を間近に見ることができて、妻のりつ子は幸せだと思います。私もりつ子を演じられて幸せでした」と鈴木

「沈まぬ太陽とは今日の日本のことだじゃないのかと。沈めないために努力するのか、沈んでも明日の太陽を期待するのか。鳩山さんに代わって申し上げたいと思います」と語った石坂