2009年10月よりTBSほかにて放送開始となるTVアニメ『けんぷファー』。作品性はもちろんのこと、原作作中において「先代しずかちゃん」のような声とされている「ハラキリトラ」を、実際にしずかちゃんの声を担当した野村道子が務めるほか、田村ゆかり、堀江由衣、水樹奈々といった声優陣も原作の表現どおりのキャスティングとなっていることで大きな話題となっている。豪華声優陣が顔をそろえたTVアニメ『けんぷファー』。今回は、メインキャスト陣が語った作品の見どころなどを紹介しよう。
メインキャスト陣が語るTVアニメ『けんぷファー』
今回の取材は第3話のアフレコ終了後に行われたもので、主人公・瀬能ナツル役の井上麻里奈をはじめ、三嶋紅音役の堀江由衣、三郷雫役の名塚佳織、沙倉楓役の中島愛、近堂水琴役の阿澄佳奈、ハラキリトラ役の野村道子、セップククロウサギ役の田村ゆかり、西乃ますみ役の三上枝織、委員長役の小林悠希、副委員長役の後藤邑子、会計役の荒浪和沙、といった総勢11名が参加。各自が演じるキャラクターについてや作品の見どころなどを語ってくれている。
――自身が演じているキャラクターの第一印象と演じてみた感想を教えてください
野村道子 (ハラキリトラ役)「私は阪神ファンなので、トラって聞いたときに『やるぞ!』って思いました(笑)。(声優の仕事をするのが)4年ぶりになるのですが、皆さん、年齢的に4回りぐらい下になるんじゃないかなと思って、そういうお嬢さんたちとできるのかなっていうのが一番心配でした。どこまでしずかちゃんでいくのか、そのあたりが難しいですね」
田村ゆかり (セップククロウサギ役)「『セップククロウサギ』という役なのですが、自分のラジオで「黒うさぎ」だと言っているので、すごく共感がもてました。臓物が出ている以外は……」
堀江由衣 (三嶋紅音役)「紅音ちゃんは、普段は大人しいのですが、"ケンプファー"に変身すると、とたんに口がちょっと悪くなるという役柄です。一つのキャラクターで、二面性を演じられるのは、とても楽しいところであり、そして難しいところであると思いながら、演じさせていただいています」
井上麻里奈 (瀬能ナツル役)「オーディションのときは、きっとこの役は男性がやられるんだろうなと思っていたので、まさか自分に決まるとは思っておらず、すごい戦いが始まるなと思いながら収録に臨みました。まさか、高校生の男の子役をやらせていただける日が来るとは思っていなかったので、今は自分自身との戦いが繰り広げられているところですね(笑)。役柄としては、普通の男子高校生で、いろいろなものに振り回されながらモテモテになるという、視聴者の皆さまにとってはとてもおいしい立ち位置ではないかなと思っています」
中島愛 (沙倉楓役)「楓ちゃんは、すごく可憐な女の子で、スタイルもよく、巨乳の女の子の役は初めてだなって思いました(笑)。でも、台本や原作を読み進めていく内に、『あ、女の子が好きなんだ』というところで驚き、"臓物アニマル"たちをみんなにプレゼントしているのは楓なんだというところにも驚き、私の中では謎がたくさん残っている感じなので、この先それが解けていったらいいなと思います」
阿澄佳奈 (近堂水琴役)「水琴の最初の印象は、"明るくて元気"ということで、そのあたりはキャラクターの見た目から感じ取れたのですが、"幼なじみ"という設定がうれしかったですね。それだけで一歩リードしているようなイメージが私の中にはあるので(笑)。でも、お話の中にはかわいい子がたくさん出てくるので、今後どうなっていくのかわからなくてドキドキです。今のところ、水琴の出番がお手紙の中だけなので、これがいつまで続くのか……。早くほかのキャラクターたちと掛け合いができたらいいなと思っています」
名塚佳織 (三郷雫役)「とても成績優秀な優等生で、かなり真面目なタイプの女性なのですが、演じるときにはどちらかというとアンニュイな感じを出していきたいと思っています。雫は、ナツルをどんどん嫌な方向に、どんどん生活をしにくい方向に、今後も引っ張っていくのではないかと思いますので、そのあたりを楽しみながら演じていきたいですね」
後藤邑子 (副委員長役)「副委員長は、委員長ズという3人まとめて出てくる賑やかしキャラのうちの1人です。パッと見た目は知的で、セクシーで、大人っぽいので、なんで私にこの役が来たのだろうと思い、最初は緊張していたのですが、どうも役の解釈を間違っていたようで、『萌えで、変態で、ダウナー』といわれたので、少し自信が復活しました(笑)。女の園で、ケンプファーのみんなと一緒に、あまり背景にならないぐらいに溶け込んでいけたらいいなと思います」
荒浪和沙 (会計役)「もともと原作を読んでいたので、会計さんはすごく毒舌で、がめついキャラクターだと思っていたのですが、2話の収録の後でイラストを見せていただいたら、すごくかわいいキャラクターでした。皆さんがケンプファーに変身して戦っているところはすごく緊迫感があるのですが、委員長ズが出ているところは、エッチなところがあったり、ほのぼのしたりしていますので、その雰囲気を頑張って盛り上げていけたらいいなと思います」
三上枝織 (西乃ますみ役)「原作を拝見したときから、ますみちゃんは好奇心旺盛な子だと思っていたんですよ。部活をたくさん掛け持ちしていたりして、自分にない部分がけっこうあったので、そのあたりを今日の収録でも楽しく演じさせていただきました」
小林悠希 (委員長役)「委員長さんは、よくある委員長タイプとは違って、腹黒で豪快な、ちょっと新鮮な委員長キャラだと思います。私は普段どちらかというと周りからいじられるタイプなのですが、役の上でとはいえ、井上さんをいじれるのは夢みたいなことなので(笑)、頑張っていじらさせていただこうと思っています」
――『けんぷファー』にさまざまな見どころがあると思いますが、その中でも特に注目してほしいポイントはありますか?
野村「(今後出演予定の内海賢二は)先にラジオの収録があって、私よりも先に映像を観ていて、『声出てたよ』って言ってましたが、たぶん私が4年ぶりなので心配していたのだと思います。一緒に出演できるのが、あっちはうれしいんだけど、私は嫌なの(笑)」
※『けんぷファー』に今後出演予定の内海賢二氏と野村道子さんはご夫婦です。
田村「台本の表紙に毎回ちがう"臓物アニマル"の絵が載っているんですよ。それで、3話の台本にいきなり知らない臓物アニマルが載っていて、"クシザシネズミ"っていうのですが、それ以外にもどんなひどい臓物アニマルたちがいるのかなって(笑)。臓物アニマルの中に、"ヤツザキインドゾウ"というのがいるらしいのですが、それは残念ながら表紙には使わないということなので、一体どんなものなのかが非常に気になります。皆さんも臓物アニマルに注目してください(笑)」
堀江「"ケンプファー"というものになって戦うというところまでは何となくわかるのですが、なぜケンプファーになるのか、何が目的で戦うのか、青と赤のケンプファーがいて、同じ色同士が味方になるのですが、なぜそうなっているのか、そんな謎の部分がすごくたくさんありながら、それをすっかり忘れて恋愛の話にもいきつつみたいなお話になっています(笑)。そのあたりの行く末やケンプファーの謎など、いろいろなところが気になる作品なので、私もこれからがとても楽しみです」
井上「堀江さんもおっしゃったように、戦う理由が明かされていないので、なぜ我々は戦わなければいけないのかという重いテーマが今後明かされていくんだろうなと私も楽しみにしています。あと、皆さんの中に新たに"臓物萌え"というジャンルができたらいいなと(笑)。『あの臓物いいよね』みたいな話が、ファンの皆さんの間で繰り広げられたら面白いと思います。あと、ナツルは両思いなのに両思いじゃないみたいな、複雑な恋愛模様が描かれています。ちょっと切ないなと思いつつも、最終的にこの恋の行方はいったいどうなるのかというところも楽しみです」
中島「井上さんのおっしゃった"臓物萌え"は、楓が第一人者なので、お話の中でも現実世界でもどんどん広がってくれたらうれしいですね(笑)。私は内海賢二さんと一緒にラジオをやらせていただいているのですが、その内海さんが一体どんな役でご出演なさるのかっていうのは、かなり最後のほうまで明かしてはいけないようで……。なぜ中島がラジオをやらせていただいているのか、そのあたりを考えていただきつつ、すみずみまで楽しんでください」
阿澄「謎がすごく多い作品であり、原作が何巻も出ている作品なので、アニメでもテンポ良く怒涛の展開が待っている感じなのですが、そんな中で、実は水琴もケンプファーらしいのです。そういった展開はもちろん、学園生活、特に女子部の賑やかさやコメディの部分も面白く、楽しんでやらせていただいていますので、いろいろなところに注目してほしいですね」
名塚「実はこの先、キャラソンを歌うような展開もあるみたいなので、そういったイベントなども含めて、楽しみにしております。あとは、女ナツルの艶ボイスをぜひ皆さんに堪能していただきたいですね。私は現場ですごく堪能させていただいています(笑)。たぶん雫は、そういうところを引っ張ってくる立ち位置になると思うので、先ほどもいいましたが、どんどんナツルを困らせていきたいと思っています」
後藤「私たちは今日がはじめての参加だったため、もう謎だらけという感じでちゃんとついていけるのか心配だったのですが、メインキャストのみんなが『謎が多い』といっているので、少し安心しています(笑)。水琴ちゃんもケンプファーということなので、もしかしたら私たちも……」
井上「ちがいます」
後藤「容赦ないですね(笑)。ケンプファーが戦うようなストーリー展開になると、私たちの出番はなくなると思うので、戦いよりも教室内の恋愛模様といった話をたくさん進めてほしいなって期待しています」
荒浪「やはりかわいい女の子がたくさん出てくるので、そこが見どころだと思います。あと、"臓物アニマル"はぬいぐるみになって、実際に売られたりするようなので、そういったところも注目していただけたらなと思います」
三上「ナツル君の恋がどうなるのかが、私はすごく気になります。誰とくっついてほしいとか、観ている方もいろいろと想像されると思うのですが、もう全員とくっついてほしいですね(笑)」
小林「メインの女の子がかわいいのはもちろんなのですが、原作を拝見すると、クラス全体でかわいい子が多いという設定らしく、バックの女の子たちもみんなかわいく描かれると思うんですよ。なので、そのあたりも注目してください」
――朝起きたときに男性になっていたらどうしますか?
野村「私は男になりたかったので、なれたらいいかも。今でも男だっていわれてますけどね(笑)」
田村「私は絶対に男の子にはなりたくないので、たぶん一歩も家から出ないと思います。絶対に嫌ですね」
堀江「私は茶髪・金髪にしますね。茶髪・金髪の男の人が好きなので(笑)」
井上「女子を口説きに、ナンパに出かけてみようかと思います。楽しまないともったいないので、女たらしになりたいですね(笑)」
中島「私は丸刈りにして、100m走をしたいですね。私は走るのが尋常じゃないくらい遅いので、男子の筋肉になったら速くなるのかなって思うんですよ。丸刈りは、ただ単に興味があるだけなんですけど(笑)、男になったら絶対にやってみたいですね」
阿澄「男性のファッションを楽しんでみたいです。髪型もそうですが、男性ならではのファッションが楽しそうだなって思います」
名塚「船舶免許を取って、海の男になります」
後藤「すごいリアルだと、男役のオーディションを受けに行ってみたいですね。理想をいえば、大塚明夫さんのような声になりたいです。それで若いやつらと戦って、役を勝ち取ってみたいですね。もし、残念な声になってしまったら、家から出ないです(笑)」
荒浪「女の私にできないことをしてみたいので、パンツ1枚で……」
井上「捕まるよ!」
後藤「それは男でもやっちゃいけないよ(笑)」
荒浪「海で、ビキニのパンツ1枚で、みたいな感じで(笑)。あと筋肉を鍛えたいですね。やっぱり女の子って鍛えてもムキムキになれないので、ムキムキになって、肉体美を披露してみたいです」
三上「女の子にキャーキャー言われたいので、歌舞伎町のホストになってみたいです」
小林「最近友だちと話していたときに、男性はトイレの後に拭かない、という新事実を聞かされまして……。そんな日常での男性と女性のシステムのちがいみたいなものを体験したいです」
――それでは最後に、番組を楽しみにしているファンの方へのメッセージを、皆さんを代表して井上さんからお願いします
井上「今までお話ししましたとおり、謎がたくさん隠されながらも、ハチャメチャギャグコメディ的な要素もある、いろいろと見どころの多い作品になっていますので、ぜひ今後とも『けんぷファー』をよろしくお願いします」
――ありがとうございました
TVアニメ『けんぷファー』は2009年10月1日(木)よりTBSほかにて放送開始。
TVアニメ『けんぷファー』放送スケジュール (予定)
放送局 | 放送開始日 | 放送時間 |
---|---|---|
TBS | 2009年10月1日 (木) | 毎週木曜日 深夜1時29分 |
CBC | 2009年10月8日 (木) | 毎週木曜日 深夜2時30分 |
サンテレビ | 2009年10月11日 (日) | 毎週日曜日 深夜1時30分 |
BS-TBS | 2009年10月31日 (土) | 毎週土曜日 深夜0時30分 |
放送開始日、放送時間は放送局の都合により変更になる場合がある。 |
■TVアニメ『けんぷファー』おもなスタッフ
原作 / 築地俊彦 (メディアファクトリー MF文庫刊)◆監督 / 黒田やすひろ◆シリーズ構成 / ふでやすかずゆき◆キャラクターデザイン / 藤田まり子◆アニメーション制作 / NOMAD
■TVアニメ『けんぷファー』おもなキャスト
瀬能ナツル / 井上麻里奈◆美嶋紅音 / 堀江由衣◆三郷雫 / 名塚佳織◆沙倉楓 / 中島愛◆近堂水琴 / 阿澄佳奈◆ハラキリトラ / 野村道子◆セップククロウサギ / 田村ゆかり◆カンデンヤマネコ / 水樹奈々◆チッソクノライヌ / 能登麻美子◆西乃ますみ / 三上枝織◆委員長 / 小林悠希◆副委員長 / 後藤邑子◆会計 / 荒浪和沙◆東田幹仁 / 川原慶久
(C)築地俊彦・メディアファクトリー / 臓物アニマルカンパニー |