10月17日から25日まで東京・六本木を中心に開催されるアジア最大級の映画祭、「第22回東京国際映画祭」の記者会見が16日、都内で行われ、同映画祭で映画大使を務める木村佳乃、グリーンアンバサダーの杏、コンペティション出品作品の『ACACIA』の辻仁成監督、主演のアントニオ猪木が出席した。
今年で22回目を迎える東京国際映画祭。昨年に続いて"エコロジー"をテーマに、世界に誇れる質の高い作品を集めて、多くの映画人やファンが楽しめる映画祭になるよう、新たな企画なども予定されている。今年は、見る者すべてを神秘の深海へと誘う『オーシャンズ』がオープニングで、クロージングには『カールじいさんの空飛ぶ家』を公開。注目のコンペティション部門には81カ国から743作品がエントリーされ、その中から選ばれた15作品が期間中に上映される。なお、今年の審査委員長は、『バベル』のアンハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ。
コンペティション部門で監督作品『ACACIA』がノミネートされた辻仁成は「(南果歩と)離婚によって一緒に暮らすことが出来なくなった子供(長男)への思いを映画で届けたいという個人的な思いから作りました」と製作理由を語り、「主人公を猪木さんにやって頂きたいとホテルのロビーで打ち合わせをしていたら、偶然猪木さんが通ったんですよ(笑)。猪木さんがトイレから出てきた瞬間に慌てて飛んでいき、映画に出て下さいって話しました」と裏話を打ち明けた。一方の猪木は、本作が映画初主演。「多分その話は嘘。後ろからナイフで脅されて……(笑)。そんなことはありませんが、1回は出ていいかなと思って。本当に良い体験をさせていただきました」と冗談を交えながら話していた。
昨年に続き、同映画祭の映画大使は木村佳乃が、グリーンアンバサダーは杏が務める。「映画産業に関わる一人として、この映画祭が成功することを祈っています。微力ながらも力になれたらと思っています」(木村)、「この映画祭を通して、多くの方が楽しみながら地球環境問題を考えて頂ければと思います」(杏)とそれぞれが映画祭への思いを語っていた。
また、アメリカやオーストラリアで批判を浴び、波紋を呼んでいる和歌山県のイルカ漁を隠し撮りした『ザ・コーヴ』の公開について、同映画祭の依田巽チェアマンは「世界での関心を踏まえて上映することにしました。論争になった時には製作側が責任を取るというので踏み切りました」と上映する理由を明らかにした。
第22回東京国際映画祭 コンペティション部門(全15作品)
作品名(製作国) | 監督 | 主なキャスト |
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『ACACIA』(日本) | 辻仁成 | アントニオ猪木、石田えり、林凌雅、北村一輝ほか |
『ダーク・ハウス/暗い家』(ポーランド) | ヴォイテク・スマルゾフスキ | アルカデュシ・ヤクビク、マリアン・ジェドジェルほか |
『イースタン・プレイ』(ブルガリア) | カメン・カレフ | フリスト・フリストフ、ネヴァネス・ドゥロシャンほか |
『エイト・タイムズ・アップ』(フランス) | グザビ・モリア | ジュリー・ガイエ、ドゥニ・ポダリデスほか |
『永遠の天』(中国) | リー・ファンファン | リウ・ドン、ファン・ミン、イ・ナほか |
『マニラ・スカイ』(フィリピン) | レイモンド・レッド | ラウル・アレリャーノ、ジョン・アルシリヤほか |
『見まちがう人たち』(チリ=ポルトガル=フランス) | クリスチャン・ヒメネス | イヴァン・アルバレス・デ・アラジャ、パオラ・ラトゥスほか |
『激情』(スペイン=コロンビア) | セバスチャン・コルデロ | グスタボ・サンチェス・パラ、アルチナ・ガルシアほか |
『ロードー、ムービー』(インド=アメリカ) | デーウ・ベネガル | アバイ・デオル、サティーシュ・カゥシク、タニシュター・チャタルジーほか |
『台北に舞う雪』(中国=日本=香港=台湾) | フォ・ジェンチイ | チェン・ボーリン、トン・ヤオ、トニー・ヤンほか |
『ボリビア南方の地区にて』(ボリビア) | ファン・カルロス・ヴァルディヴィア | ニノン・デル・カスティーヨ、ニコラス・フェルナンデスほか |
『NYスタテンアイランド物語』(アメリカ) | ジェームズ・デモナコ | イーサン・ホーク、ヴィンセント・ドノフリオほか |
『ストーリーズ』(スペイン) | マリオ・イグレシアス | コンセプシオン・ゴンサレス、ルイス・カジェホほか |
『テン・ウィンターズ』(イタリア=ロシア) | ヴァレリオ・ミエリ | イザベッラ・ラゴネーゼほか |
『少年トロツキー』(カナダ) | ジェイコブ・ティアニー | ジェイ・バルチェル、ジュヌヴィエーヴ・ビュジョルドほか |