小栗旬

映画『TAJOMARU』の初日舞台挨拶が12日、都内にて行われた。舞台挨拶には主演の小栗旬のほか、ヒロイン阿古姫を演じた柴本幸、桜丸役の田中圭らが登場。主要キャストが勢揃いした会場は大いに盛り上がった。

本作は、芥川龍之介の短編『藪の中』に登場する盗賊・多襄丸を主人公に据え、ストーリー・設定を大胆に脚色した異色時代劇。陰謀により家を追われた畠山家の次男・直光(小栗旬)は、許嫁の阿古姫(柴本幸)と共に逃げ込んだ山の中で盗賊の多襄丸(松方弘樹)に襲われる。一瞬の隙をついて逃げ出した阿古を追う多襄丸を仕留めた直光は、彼の名を受け継ぎ「多襄丸」として乱世を生き抜いていく。

劇場後方の扉から小栗らが登場し、観客席の通路をステージへと移動すると、会場に集った女性ファンから悲鳴のような歓喜の叫びが。歓声をかき分け登壇した小栗は、初日を迎えた感想を尋ねられると、「ついに公開されたんだなと。色々宣伝してきた甲斐があったって感じです」と淡々と答えた。

ファンが殺到

作品内で涙を流すことの多い多襄丸だが、その名演技について小栗は「あれはだいたい目薬です」とにやり。観客からは「えーっ!」という疑いの声が上がったが、柴本によると「ちゃんと泣いてましたよ」とのこと。また、中野裕之監督は「旬くんよりは幸ちゃんの方がすごかった。でも旬くんも負けず嫌いなんで、幸ちゃんが泣いたら泣き返していましたね」と、"涙"の舞台裏を明かしてくれた。

多襄丸からの愛を一心に受ける阿古姫を演じた柴本は、「これだけ一本の愛情というのは現代ではなかなかないので、特別な体験ができたと思います」とコメント。もっとも、「直光の気持ちを直接的に受ける役だけではなかったので、そこは複雑だなと思ってました」と、小栗からのストレートな想いとそれを受ける役とのギャップに悩まされる部分はあったようだ。

小栗と同じ事務所に所属し、後輩でもある田中は「難しかったけど、迷いながら皆さんと"桜丸"を作り演じ切ることができました。演技を通してしか旬くんに『貴様ー!』とか言えないんで」と演技が楽しめた様子。しかし、やべきょうすけによると「小栗くんが撮影終わると、田中圭くんにダメ出ししていた姿が忘れられません」とのこと。広島でのロケ撮影中には、やべを中心に毎晩のように宴会が催されていた模様。そのことに話が及ぶと必死に話をそらそうとする田中の姿に、会場は大爆笑の声を上げていた。

映画『TAJOMARU』は全国ロードショー中。

左から中野裕之監督、萩原健一、やべきょうすけ、柴本幸、小栗旬、田中圭、松方弘樹、山本又一朗プロデューサー