IFA2009は、家電を中心としたイベントであるが、EU圏ではCebitや3GSM Worldなどのイベントがあり、携帯電話系の出展はあまり多くない。しかし、いくつかの製品は展示されていたので、これをまとめてレポートすることにしよう。
日本でも発売が開始されたAndroid系のスマートフォンとしては、Samsungの「Samsung GALAXY」と、HTCの「HTC Hero」の展示があった。SamsungのGALAXYは、3.2インチの有機EL、HSDPAに対応したスマートフォン。キーボードは搭載せず、タッチパネルと、ナビゲーションキーにより操作を行う。説明員の話によると、最初のAndroid機であるため、ソフトウェア的には標準のままで、特にカスタマイズなどはしていないとのこと。
Samsung初のAndroid端末「Samsung GALAXY」。有機ELディスプレイを搭載する。8GBの内蔵ストレージを持つ。スクリーンサイズは3.2インチのハーフVGA(320×480) |
HTCの「HTC Hero」。同社としては3台目のAndroidマシン。独自のUIである「HTC Sense」を搭載。切り替え可能なホームスクリーンを増やし、より多くのウィジェットなどが利用できる |
これに対してHeroは、3台目となるHTCのAndroid端末で、ホームスクリーンなどに、同社が開発した独自UI「HTC Sense」を搭載。標準では、3画面しかないホームスクリーンを増やし、さまざまなウィジェットやアイコンの登録を可能にしている。また、AdobeのFlashを搭載している。キーボードは備えていないが、従来機種同様にトラックボールを採用している。
Nokiaは、「N97」とその小型版である「N97mini」が展示されていた。どちらもSymbianOSでS60 5th Edition系列のOSを搭載するスマートフォン。N97は3.5インチ、N97miniは、3.2インチのLCDを搭載している。スライド式のキーボードを備え、液晶部分が起き上がるようになっている。
また、メールやメッセージング向けの携帯端末として「Nokia 6760 Slide」もあった。これは、Symbian OS採用でS60の3rd Editionを搭載。Windows Live MessengerやGoogle Talkなどのメッセンジャーソフトを搭載している。
Samsungブースには、その他の端末も展示があり、WVGA(800x480)表示対応の有機EL(AMOLED)と800MHzのアプリケーションプロセッサを搭載する「Samsung Jet」もあった。これは、独自のWebブラウザやウィジェットシステムを搭載する端末。特に汎用のOSは搭載されていないが、機能的にはスマートフォンと呼べるクラスの製品だ。プロセッサが高速なため、ブラウザが軽快に動作し、ウィジェットの表示なども高速に行われていた。無線LANや、5メガピクセルカメラも搭載する。
携帯電話系では、VodafoneやDeutsche Telekom(ドイツテレコム。T-Mobileの親会社)などが出展していたが、出展内容はサービス中心で、既存端末の展示にとどまっていた。