ドイツ・ベルリンで開催されていたIFA 2009で、ソニーは、薄型ノートである「VAIO X」を公開した。ただし、スペックなどは現時点では未公開である。

会場に展示されていたソニーの「VAIO X」。キーボードは、キートップが分離したセパレートタイプを採用。ファンレスで長時間駆動を実現しているという

VAIO Xは、11型ワイド液晶ディスプレイを採用、重量は700g以下とされている。厚さは14mmで、筐体にカーボンファイバーやアルミを利用している。ワイヤレスWAN機能を搭載可能で、OSとしてはWindows 7を搭載する予定。会場では、ログイン画面までの表示で、実際の操作を行わせてはくれなかったが、その画面はWindows 7のものになっていた。

正式な発表は10月とのこと。おそらくWindows 7の発売に合わせるのだと想像される。

天板には、グラスファイバーを使ったもの(写真左奥)と、金属を使ったもの(写真右手前)の2種がある

10.4型液晶ノート「VAIO 505 Extreme」こと、「PCG-X505」。最薄部は9.7mmで、重量は約825g。ソニースタイルモデルの「PCG-X505/SP」であれば重量を約785gまで絞れた

このVAIO Xは、かつての「VAIO 505 Extreme」(「PCG-X505」)の後継にあたる製品のように見える。実際、会場には、505 Extremeが置かれていた。この505 Extremeは、薄型軽量にこだわった製品だったが、標準バッテリで1時間程度、モデムなどは、PCカードを利用し、外部ディスプレイとLANポートは、専用コネクタと外部アダプタを利用と、実用という部分で苦しいところがあった。505 Extremeはスペック重視で、特にカーボンファイバーの筐体はあまり大量生産できず、高価だったという。当初の価格は350,000円程度だった。

今回のVAIO Xは、薄型軽量に加え、長時間駆動を実現。また、コネクタを独自に開発し、薄型筐体にLANポートや外部ディスプレイコネクタを内蔵するなどの工夫がこらされている。

側面より。液晶部分が薄いのは当然として、本体部分も薄く、D-Sub15ピン+α程度の厚さしかない。また、この横にあるLANポートは、カバーがコネクタの一部となっていて、カバーを開くとコネクタの下側の部分になるように作られている

筐体の裏側を見ると、パームレスト部の裏側が電池になっており、マザーボードなどは、キーボードの下に配置されているようだ。また、特に裏蓋などがなく、メモリやHDDへのアクセスは簡単ではなさそうだ。ソニーでは過去に、ユーザーでのメモリ増設やHDD換装が不可となっている製品を出したこともあり、今回も、薄型軽量を実現するため、拡張性を犠牲にしている可能性がある。

本体底面部。パームレストの下は、ほとんどがバッテリ(写真上部)で占められている。これから考えるに、マザーボードは、キーボードの下なると想像される。写真下部右側が、側面写真にある外部ディスプレイコネクタとLANポートになる

CPUについては未公開だが、ファンレスであり、Windows 7が動作することを考えるとIntel Atom系(しかもZ系列か)が使われているのではないかと想像される。ただ、現時点で仕様が未公開となっており、Intelが未発表のプロセッサが採用されていることもありえるだろう。